菊地真
P(ナレーション)「昔々、あるところに仲の良いおじいさんとおばあさんが住んでいました」
菊地真
「ある日のこと、おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました」
菊地真
「おばあさんが川で洗濯をしていると上流から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました」
菊地真
「おばあさんは大層喜んで桃を家に持ち帰り、おじいさんと食べることにしました」
菊地真
「家で桃を半分に切ろうとしてびっくり。なんと中から男の子が出てきたではありませんか!」
菊地真
「二人はこの子に“桃太郎”と名前をつけ、大事に育てました」
菊地真
「桃太郎はすくすく育ってうんたらかんたら…話しの都合上、鬼退治に行くことになりました」
菊地真
「途中で犬、猿、雉を味方につけた桃太郎は意気揚々と鬼ヶ島へ乗り込むと…」
菊地真
「鬼を殴る蹴るのフルボッコ!ルール無視の大乱闘で暴れ回り、一瞬で頭のもとへやってきました」
菊地真
ーーーあんたが総大将かい?
ジュリア
ああ。アタシは鬼ヶ島を取り仕切っている“ジュリア”ってんだ、よろしくな!
菊地真
(ふん、ずいぶん弱そうな奴だ。ここはあいつらに任せるか!)
菊地真
よし、イヌ!サル!キジ!あいつを今までみたいにボコボコにしてこい!!
菊地真
「ところが、連戦の疲れからか三匹はあえなく負けてしまいました」
ジュリア
ケッ!お前の子分、弱いなあ。こんなのにアタシの手下がやられたかと思うと情けなくなってくるよ
菊地真
なんだと!?よし、それじゃあボクと勝負だ!
菊地真
「百戦錬磨の桃太郎でしたが、さすがそこは鬼の総大将。一筋縄で倒せる相手ではありません」
ジュリア
ハッハッハー!どうした桃太郎?お前の実力はそんなもんか!?
菊地真
くっ…。これならどうだ!秘技「豆まき」!!
ジュリア
甘いな……カナ!
矢吹可奈
うわー!お豆がたくさん降ってくる!ムシャムシャバリボリ…うん、おいひい!もっとちょうだい♪
菊地真
「“カナ”と呼ばれた小鬼は(鬼が嫌いなはずの)炒り豆を片っ端から食い尽くしてしまいました」
矢吹可奈
けぷっ…美味しかったよ。ごちそうさま!
菊地真
馬鹿な…!どうなっているんだ!?
ジュリア
ククク…。さあて、次はこっちの番だな!
ジュリア
よくも今まで暴れまわってくれたな!そのお礼を今からここでたっぷりしてやるぜ!!
菊地真
「鬼の総大将ーーージュリアはそう言って、どこからかギターを取りだしました」
ジュリア
よう、耳の穴かっぽじいてカナの歌をよーく聞いとけ。いいな?
菊地真
(どういうことだ…?)
ジュリア
カナ!準備はいいかァ!?
矢吹可奈
OK♪
ジュリア
じゃあいくぜオラァ!(ギュイーン!)
菊地真
「ジュリアがギターをかき鳴らします。それは島中に響き渡るほどの轟音でした」
菊地真
「その轟音が曲の前奏部分だと桃太郎が気づいたとき、カナが歌い始めました」
矢吹可奈
ぼえー!ほげー!ほんげえええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
矢吹可奈
(キーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!)
菊地真
「カナのド下手な歌とマイクのハウリング音が融合し、鬼ヶ島はたちまち地獄絵図と化しました」
菊地真
ぐわああああ!耳が…耳があー!!!!!
菊地真
「桃太郎一行は阿鼻叫喚のうちに鬼ヶ島を逃げ出し、二度と鬼ヶ島には来なかったということです」
(台詞数: 39)