永吉昴
なるほど。つまり、揚げる時の温度が大事なんだな。
二階堂千鶴
ええ。1度に沢山揚げない事ですわ、家庭用の鍋なら2、3個ずつですわね。
菊地真
あれ、何の話をしてるの?
永吉昴
よう真か。いや、今度コロッケ作ってみようと思ってな、千鶴にやり方教わってたんだよ。
菊地真
へえ。そう言えば昴はお料理が得意なんだっけ。
永吉昴
得意っていうほどでもないよ、自己流だし。ちゃんとした作り方とかはあんまり知らないしな。
二階堂千鶴
そこでこのわたくしが直々にお教えしてさしあげているというわけですわ。
菊地真
千鶴さんも料理上手ですもんね。なんかいいなあ、そういうの。女の子っぽい感じで。
菊地真
…そうだ千鶴さん、もし良ければボクにも是非何か1つ。
二階堂千鶴
そう来ると思いましたわ。何か作ってみたい物でもお有りですの?
菊地真
そうですね、あずささんが作ってたビーフシチューなんていいかも。女の人の料理って感じで。
二階堂千鶴
初心者がそんな本格的なの作れるわけないじゃありませんの、もっと簡単な物になさい。
菊地真
ちぇ、残念。今日は父さんが牛のタタキ買ってきたからちょうどいいと思ったんだけど。
二階堂千鶴
ビーフシチューにタタキを使うわけ無いじゃありませんの!?
永吉昴
こりゃ予想以上だな。頑張れよ、千鶴…
二階堂千鶴
とりあえずはオムレツの作り方をお教えしますわ、西洋料理の基礎中の基礎ですわね。
菊地真
頑張ります!具材何がいいかな、キノコとか入れたら美味しそうかも。
二階堂千鶴
まずは無難にプレーンオムレツにしておきなさい。
菊地真
プルーン?あの、そんな物入れて大丈夫なんですか、何だかすごく不味そうですけど。
永吉昴
あのな、具材無しのやつをプレーンオムレツって言うの。
菊地真
あ、そうなんだ。えっと、じゃあまず卵を割って…
二階堂千鶴
かき混ぜるのは優しく…力入れ過ぎですわ。もっとこう、優雅に。
菊地真
ゆ、優雅に?えっと、えっと…
二階堂千鶴
で、フライパンに卵を入れて…ちょっと!外側焼き過ぎですわ、卵焼きじゃないんですのよ?
菊地真
えっと、卵をかき混ぜながら焼く…?
二階堂千鶴
それじゃあ炒り卵ですわよ、内側から外側へ焼けてない所を流して…
菊地真
…焦げたスクランブルエッグ、完成しました。ひっくり返すのって難しいですね。
二階堂千鶴
半分に折らないといけませんのよ、その為にはもう少し柔らかい部分を残しませんと。
菊地真
うーん、才能無いのかなあ。千鶴さんの言ってる事が正直さっぱりで。
永吉昴
…なあ真。もっかいやってみ?次はオレが教えっから。
二階堂千鶴
え?
永吉昴
違う。卵はもっとしゃしゃっと混ぜるんだ。で、フライパンにさらっと流す!
菊地真
しゃしゃっと、さらっと…こうか!
永吉昴
よし!んで全体をふわっと混ぜるんだ。ががっとじゃないぞ、ふわっとだぞ?
菊地真
ふわっと…こうだね!
二階堂千鶴
え、え、え?2人とも、一体何を言ってますの?
永吉昴
仕上げだ!卵を半分に折って、がぱっとひっくり返す!
菊地真
がぱっと返して…出来た!うん、今度は綺麗に仕上がったね!
二階堂千鶴
何でですの!?
永吉昴
ほら。真のダンスレッスンとかって、こんな感じでやる事が多いだろ?
永吉昴
だから、似たようなやり方で教えたら上手くいくんじゃないかと思ってさ。
菊地真
うん。昴が言ってた事、何となくだけど理解出来たよ!
二階堂千鶴
そういうものですの。なんか自信無くしますわね、料理教えるの上手な方だと思ってましたのに。
永吉昴
そう言うなって。千鶴は基礎が出来てるやつが教わるのにいいんだからよ、オレとか紗代子とかな。
菊地真
なるほど。ならボクも早く上達して、千鶴さんが言ってる事理解出来る様にならないとな…
二階堂千鶴
ふふ、楽しみにしておりますわ、頑張りなさい?
菊地真
はい!あ、そうだ。忘れないうちに作り方書いておこう。ええっと…
菊地真
昴?ひっくり返す時はがばっとだったっけ?
永吉昴
がばっとじゃなくてがぱっと。そこ間違うと失敗するぞ?
二階堂千鶴
それ書いておいて本当に後から分かるんですの!?
(台詞数: 50)