菊地真
『さて その晩、御殿の中庭には、かがり火で赤々と照らし出されました。』
菊地真
『女王様を始め、大勢の人達が集まってきました。』
木下ひなた
それでは女王様、踊りを始めるよぉ。
木下ひなた
白ネコさん、教えた通りに太鼓を叩いておくれ～。
菊地真
オッケー、練習通りに叩くよ!
菊地真
『白ネコさんが、太鼓を叩き、音楽が始まると、それにつれて踊りも始まりました。』
木下ひなた
よっ♪ はぁ!
菊地真
『まぁ、それは、なんと言う素晴らしい踊りなのでしょう!』
菊地真
『音楽に合わせて、飛んだり、跳ねたり、くるくる回ったり、とんぼ返りをうったりしました。』
菊地真
『力強く踊り時には、まるで火の神様のように荒々しく、』
菊地真
『静かに踊る時には、まるで風の神様のように優雅に見えるようでした。』
菊地真
『踊るお客さんの姿に、誰も彼も、すっかり満足しました。』
四条貴音
おぉ、なんと素晴らしく。美しいのでしょうか…。
菊地真
『中でも女王様は、ことのほかお喜びで、こんな楽しい思いをしたのは始めてのようでした。』
四条貴音
………
菊地真
『踊りが終わると、中庭にいたネコ達は、お客さんに盛大な拍手を送りました。』
木下ひなた
女王様、皆さん、楽しんでもらえたかねぇ?
四条貴音
えぇ。まこと、楽しい時間を頂戴しました。心から、お礼申し上げます。
四条貴音
さぁ、ご馳走を用意してあります。ふぅど を取って、一緒に召し上がってください。
菊地真
『大変満足した女王様は、晩餐会に招いてご馳走のテーブルにお客さんをつかせようとしました。』
菊地真
『すると お客さんは、』
木下ひなた
恐れながら女王様、フードを外すのは、ゆるして欲しいんだなぁ…。
菊地真
『と、お客さんは言いました。』
四条貴音
何故です、なにか事情でもあるのですか?
木下ひなた
フードを外すと、あたしの命が危ないんだよぉ……。
四条貴音
どうして、命が危ないのでしょうか?
四条貴音
私は、貴方の踊り、そしてその人柄を、大層気に入りました。
四条貴音
これからも末永く、友人としてお付き合い願いたいと思っております。
四条貴音
そのために、あなたの素顔を見せていただきたいのですが…、無理強いはよろしくありませんね。
菊地真
『女王様の、この言葉を聞いて、お客さんは ようやく心を決めました。』
木下ひなた
わかったよぉ、そうおっしゃるなら、フードを取りましょう。
木下ひなた
ただ、その前に、ひとつ約束して欲しいんだな。
木下ひなた
「素顔を見ても、あたしの命は守る」、って。
四条貴音
お約束致しましょう。女王の名誉にかけて。
四条貴音
いかなる事が起ころうとも、あなたの身の安全と、我らの友情は守られることを!
木下ひなた
ありがとうございます、女王様。
菊地真
『そして、大勢の人達が息をのんで見守る中で、お客さんはフードを外しました。』
木下ひなた
『その4に続く!』
(台詞数: 38)