エミリー
『海を越えた遥かかなたの土地に、ネコの国がありました。』
菊地真
さぁ、今日も一生懸命 働くぞー!
エミリー
はいっ。女王様のため、私たちの生活を豊かにするために働きましょう!
エミリー
『ネコの国の人達は、みんな働き者でした。』
エミリー
『食べるものも、着るものも、暮らしに必要なモノは、全部自分達の手でつくっていました。』
エミリー
『こうして、なに不自由ない暮らしをしていました。』
菊地真
あ~、今日も1日働いたな~!
菊地真
でも……、なにか物足りないよね。
エミリー
そうですね。よくわかりませんけど、何かが足りませんよね……。
エミリー
『ネコの国の人達は、とても幸せ……、と言うわけではありませんでした。』
エミリー
『みんな働く事は知っていましたが、「楽しむ」ことを知りませんでした。』
エミリー
『そんなある日、海の向こうから、見たことのない船が1艘現れ、岸辺に着きました。』
エミリー
『そして、その船の中から、見たことのない人が降りてきました。』
木下ひなた
こんにちはぁ、ネコの国のみなさん。
エミリー
『その人は大きなフードで顔を隠し、目の覚めるような派手な衣装を着ていました。』
エミリー
『この不思議なお客さんは、ネコの国の人達に向かって、ていねいにお辞儀をしました。』
菊地真
なっ、なんだこの人は?
エミリー
挨拶してますけど、ちょっと怖いですね……。
エミリー
『けれども、警戒心の強いネコの国の人達は、怖がって逃げようとしました。』
木下ひなた
ちょっと待ってなぁ……。まず、これを聞いて欲しいんよ。
エミリー
『お客さんは、「丸い筒」のようなものを取り出すと、一定の間隔を取るように叩き出しました。』
木下ひなた
《トントトン♪トントトン♪》
エミリー
『すると、筒から軽快な音が鳴り出したのです。』
菊地真
なに、その筒のようなものは?なんかいい音がするね。
木下ひなた
叩いてみるべ?
菊地真
いいの?やーりぃっ!
エミリー
『白ネコさんは、お客さんのやっていた事を真似るように、筒を叩きます。』
菊地真
なんだろう…、心の底からワクワクするよ!
木下ひなた
したっけ、そのまま叩いててねぇ。
エミリー
『そしてお客さんは立ち上がり、白ネコさんの音にあわせて、体をゆらし始めました。』
木下ひなた
よっ♪ はっ♪ らっせーら♪らっせーら♪
エミリー
『それは、不思議な感じのするものでした。』
エミリー
なんでしょう……、すごく楽しそうに見えます!
エミリー
『その場にいたネコたちは、お客さんの動きに、すっかり見とれてしまいました。』
エミリー
『なぜだか分かりませんが、見ていると、とてもいい気持ちになったのです。』
木下ひなた
『その2に続く!』
(台詞数: 36)