菊地真
……それで、「サーカス」と書かれたテントに潜って中を見てきたんだけど、
菊地真
すごいんだよ!象は逆立ちするし、ライオンは火の輪を潜るし、
菊地真
中でもビックリしたのは、「空中ブランコ」と言うもの。人が空を飛んでたんだよ!
菊地真
『シロとぽぽが友達になってから、シロは毎日ぽぽの元に遊びに来ました。』
望月杏奈
人が飛んでたの?……すごい。……ぽぽも…見てみたい、
菊地真
『ぽぽは、シロがその日の出来事を聞いて、歌をうたいました。』
望月杏奈
たん たん たんぽぽ ぽっぽっぽ♪
望月杏奈
もっときかせて ゆかいなはなし♪
望月杏奈
たん たん たんぽぽ ぽっぽっぽ♪
菊地真
……きれいな歌だね。明日も、いろんなお話を聞かせてあげるね。
菊地真
『シロは、ぽぽの歌を聞くと、嬉しそうに喉をならしました。』
菊地真
『…………』
菊地真
『お祭の日の夕方の頃です。』
菊地真
『シロがいつもの様に、ぽぽにお話をしている時――、』
望月杏奈
ノラ犬「ワンワン!」
菊地真
『こっちに飛んできた風船めがけて、勢いよく走ってきた犬が、』
菊地真
『ぽぽを踏み潰しそうになりました。』
菊地真
ぽぽ、危ない!シャー!シャー!!
菊地真
『シロは、ぽぽを守るために、思いきり飛び掛り、犬を追いやりました。』
菊地真
ぽぽ、大丈夫?……うぅ、
望月杏奈
ぽぽは大丈夫……。でも…シロの方が怪我してる…。
菊地真
『シロは犬に足を噛まれてしまい、うずくまってしまいました。』
望月杏奈
大丈夫……、シロ?
菊地真
へへっ。これくらい…、なんでもないよ!
菊地真
『そう言って、シロは目をつむりました。』
望月杏奈
シロ……痛そう…。ぽぽ…どうしたらいいの?
菊地真
『ぽぽは、どうしたらいいか分からないまま、』
菊地真
『小さな声で歌いました。』
望月杏奈
たん たん たんぽぽ ぽっぽっぽ…♪
望月杏奈
いまは ゆっくり ねむってね…♪
望月杏奈
たん たん たんぽぽ ぽっぽっぽ…♪
菊地真
『ぽぽの小さな歌声は、まるで子守唄のような安らげる歌声でした。』
望月杏奈
『その3につづく。』
(台詞数: 33)