赤のない世界
BGM
キミがいて夢になる
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2015-04-01 04:17:24

脚本家コメント
「おかえり、春香」
エイプリルフールネタを書こうとしたら、いつの間にかこんな方向になってしまいました…
笑いのセンスとか皆無なんだって思いました
ですが、物語の前後共妄想が捗りそうな話に…

コメントを残す
天海春香
私の名前は天海春香、17歳
天海春香
どこにでもいる普通の女子高校生
天海春香
トレードマークは頭のリボン
天海春香
あれ?
天海春香
何か忘れている気がする・・・まぁ・・・今はいいよね
天海春香
だって今日は高校の友達に誘われて、人気のアイドルグループのライブに来ているのだから
天海春香
気持ちがなんだか妙に高ぶってるけど、大丈夫だよね
天海春香
765PRO ALLSTARS・・・それは765Pに所属するアイドル達全員のユニット
天海春香
彼女達がステージに来て、私達に向かって手を振る
天海春香
会場はとてつもない熱狂に包まれて、多様で色彩豊かなサイリウムがたくさん揺れている
天海春香
なんだか私は彼女達の姿を此処ではない・・・もっと近くで見たことがある気がする
天海春香
765Pのみんなにはそれぞれイメージカラーがある
天海春香
青色は如月千早ちゃん
天海春香
白色は萩原雪歩ちゃん
天海春香
橙色は高槻やよいちゃん
天海春香
緑色は秋月律子さん
天海春香
紫色は三浦あずささん
天海春香
鴇色は水瀬伊織ちゃん
天海春香
黒色は菊地真君
天海春香
黄色は双海亜美ちゃん、真美ちゃん
天海春香
黄緑色は星井美希ちゃん
天海春香
浅葱色は我那覇響ちゃん
天海春香
臙脂色は四条貴音さん
天海春香
あれ?
天海春香
何か足りない気がする・・・
天海春香
ふと、下に視線を落とすと・・・私の手には赤色のサイリウムが握られていた
天海春香
私の手元以外に赤色のサイリウムを持っている人などどこにも見当たらない
天海春香
そうだ、赤色がないんだ・・・
天海春香
でもどうして赤色がないの?
天海春香
隣を向くと、友達が優しく微笑んでくれた
天海春香
その微笑みで少し安心したけれど、感じた違和感が解消された訳では無くて・・・
天海春香
だって私の知っている彼女達には赤色がいる
天海春香
でも私の目に映っている彼女達の中には赤色がいないんだから・・・
天海春香
あれ・・・どうしてだろう?
天海春香
さっきよりも少し視界が悪くなった気がする
天海春香
手のひらで瞼をちょっと擦ってみると、私の手のひらは微かに濡れていた
天海春香
汗を掻いているわけでもないのにおかしいですよね
天海春香
私は彼女たちが踊って歌っている間中ずっと、手に握った赤いサイリウムを振り続けた
天海春香
なんでかな・・・そこにいるはずのない赤色の子が居る気がして・・・
天海春香
MCが入って休憩に差し掛かった時、大きなモニターに赤いサイリウムを握る私が映し出された
天海春香
会場が静まり返って、ステージからも会場からも視線は私に集中した
天海春香
「あんた、まだ思い出さないの?」
天海春香
え・・・なにがですか?
天海春香
「私達・・・ず~っと春香ちゃんの帰りを待っていますぅ」
天海春香
私の帰りを?
天海春香
「ええ、だって私達にとっての赤は春香、あなたしかいないわ」
天海春香
「私達、春香さんが戻ってきてくれるまで、何度でもライブやりますから!!」
天海春香
彼女達の頬から雫が一滴落ちた気がした
天海春香
その一滴は色となって、失っていた記憶を再び描き出す
天海春香
そっか・・・私が赤色だったんだ

(台詞数: 50)