七尾百合子
3.2.1……アクション!
水瀬伊織
いらっしゃい。遅かったじゃない。
箱崎星梨花
すみません。実は……
水瀬伊織
はぁっ!?おはぎが消えた?じゃあ、私は何のためにここに来たのよ!?
七尾百合子
大丈夫です!私がすぐに暗号を解いて、おはぎを持ってきますから!
水瀬伊織
暗号……?
箱崎星梨花
はい。キーワードを手に入れた時に謎の暗号も一緒に手に入れたんです。
七尾百合子
「六 せ、し」「四 り、つ」「一 こ、ろ、せ」なんですけど。
水瀬伊織
……百合子、星梨花、そこに座りなさい。お湯を沸かすわ。
箱崎星梨花
でも、おはぎは……
水瀬伊織
こういう時は頭をスッキリして考えるのよ。三人寄れば文殊の知恵。きっと解くことができるわ。
七尾百合子
伊織さん……!
水瀬伊織
……この暗号、気になるのは数字の部分よね。ひとまず並び変えてみましょうか。
七尾百合子
「一 こ、ろ、せ」「四 り、つ」「六 せ、し」。平仮名だけだと「ころせりつせし」。
水瀬伊織
意味のある言葉じゃないみたいね……
箱崎星梨花
あと、どうして数字は漢字なんでしょう?
七尾百合子
漢字?たしかに、そうだね。意味があるのかな。読み方を変える、とか?
水瀬伊織
「いち」じゃないなら「はじめ」「ひとつ」「いつ」「かず」……こんな感じかしら。
箱崎星梨花
……つながらないですね。
水瀬伊織
……はぁ、とりあえずお茶を淹れましょう。星梨花、その箱からティーセットを取ってちょうだい。
箱崎星梨花
はい。……あっ!
水瀬伊織
どうしたの?大丈夫、星梨花?
箱崎星梨花
謎です、新しい謎が入ってましたよ、百合子さん!
七尾百合子
えーっと……『臙脂の宝物は我らが主への忠誠の証。我らは暗号を光として生きる』
七尾百合子
なんだか、かっこいいですね!まるで中世の騎士物語みたいです!
水瀬伊織
そうかしら?中学生の書いた痛い文章に見えるけど。
箱崎星梨花
暗号を光にするってどういう意味でしょう?
水瀬伊織
うーん、暗号を目標とかモットーにして生きるってことじゃないかしら?
七尾百合子
(暗号は目標?……読みの違う数字……目標……あれ?ひらがなと数字の関係って……)
七尾百合子
……っ!!もしかして!!
水瀬伊織
ど、どうしたのよ、急に!
七尾百合子
……やっぱり、そうだ!ほら、2人ともこれを見て!
箱崎星梨花
あっ、これは!
水瀬伊織
なるほど……これなら平仮名の並びにも納得がいくわ。
七尾百合子
それじゃあ、行こう、星梨花ちゃん、伊織さん。
水瀬伊織
いいえ、私は待っているわ。
七尾百合子
えっ?
水瀬伊織
このドラマの主人公は誰?
七尾百合子
あっ……
水瀬伊織
さっさとおはぎを持ってきなさい。伊織ちゃん特製紅茶を振る舞ってあげるんだから。
七尾百合子
ありがとうございます!行こう!星梨花ちゃん!
箱崎星梨花
はい!
(台詞数: 42)