水瀬伊織
どーも! サイレントプリンセスでーす! 皆の心の王女様・水瀬伊織ちゃんよ。にひひっ♪
篠宮可憐
…………
水瀬伊織
最近、TVとか喋る仕事が増えて大変よね～。でもあたし、本当は喋らない仕事がやりたいの。
水瀬伊織
例えばモデルとか。可憐、あたしファッションショーのモデルやるから、アナウンスしてくれない?
篠宮可憐
(コクリ)
水瀬伊織
じゃあ、行くわよ。(スタスタスタスタ)(シュッシュッ)フック、フック、右左右!
篠宮可憐
…………
水瀬伊織
さあ挑戦者、観客席から降り注ぐ大量の甘夏みかんを避けながら、デコポン伊織が今リングへー!
篠宮可憐
…………
水瀬伊織
…………なんか喋りなさいよぉぉおお!!
篠宮可憐
?
水瀬伊織
ツッコんでよ! あたし、がんばってボケてたんだから! いま、私達「漫才」してるのよ?
篠宮可憐
フンッ
水瀬伊織
え、え? 何で? いま何で鼻で笑われたの!? ……何でもいいから喋って。いいわね。
篠宮可憐
?
水瀬伊織
なんで? じゃないわよ。そんな深夜の通販で外人がするような両手を上に広げたポーズされても!
篠宮可憐
…………?
水瀬伊織
じゃあ手は下? じゃなくて! 動きのことを言ってるんじゃないの!!
水瀬伊織
こう～～二人で喋って、会話をして、掛け合いをするのが「漫才」なの。だから――
篠宮可憐
!?
水瀬伊織
え、それ、いま知ったの!? てか、それわからずにマイクの前へ立ってたの!?
篠宮可憐
(フルフル)
水瀬伊織
わかってたんかーい! わかってて無言てどういう神経なのよ……じゃあ喋って。さん、はい!
篠宮可憐
(カキカキ)
水瀬伊織
は? え、どうしたの突然。メモ用紙とボールペン? そんなもん出して、何書いてんのよ。
篠宮可憐
(スッ)
水瀬伊織
くれるの? わざわざキレイに四つ折りにして……何これ……(カサカサ)
篠宮可憐
『伊織ちゃんwww「さん、はい!」はww古いよwwwww』
水瀬伊織
ビリィ
水瀬伊織
何よこれぇ! 何でわざわざ筆談でダメ出し!? 口で言いなさいよ口で!
篠宮可憐
フンッ
水瀬伊織
だから鼻で……! くそぅぅ、あたしは嘲笑されるために出て来たんじゃないの。喋りにきたのよ!
水瀬伊織
ねぇ、あんた本気で一言も喋る気ないの? なんか喋ってみなさい。出来るでしょ? ほら!
篠宮可憐
…………
水瀬伊織
え、もしかして、ホントに「喋れない」の? やだ、どっか体の具合がおかしいとか?
篠宮可憐
(クスクスクス)
水瀬伊織
う、ぇぇえ!? な、な、なんであんた急に笑ってんの!? あたし何か変なこと、言った……?
篠宮可憐
(カキカキ)『おかしいのは伊織ちゃんでしょwww急にキレたり、ずっと独り言喋って頭おかし』
水瀬伊織
キイぃーーっ!! それ全部あんたが一言も喋らないからでしょぉぉおおがああああ!!
篠宮可憐
…………(きこえますか…きこえますか…目の前の…伊織ちゃん…可憐です……)
水瀬伊織
はぁあ、またダンマリ……もぉぉう一度でいいから、一言ぐらい発しなさいよ。んもぉぉ～～
篠宮可憐
…………(私は今…あなたの…心へ…直接…呼びかけています……)
水瀬伊織
何なのよォこれ! あたしだけ舞台で大声張り上げて、何も言わないあんたにバカにされてぇぇ、
篠宮可憐
…………(私は最初から貴女へこうして語りかけていました。時には、なんでやねん、時には)
水瀬伊織
もー、こんな一方通行の漫才やってらんない! こうなりゃ勝手に終わらせてやるわ!
篠宮可憐
…………(そのボケ面白くないね。いおりんのデコまじテカテカ。そんなことよりおうどんたべたい
水瀬伊織
こんな喋らないアイドルがいるか! いい加減にしろ。どうもありがとうございましたーっ!
篠宮可憐
…………(こうして呼びかけていれば、言葉にせずとも私の大切な気持ち、伝わると信じています)
水瀬伊織
…………
篠宮可憐
…………(伊織ちゃん…あなた…うるさい……)
(台詞数: 50)