水瀬伊織
はじめましては、いつだったかな
水瀬伊織
初めて会ったとき、キミはつまらなそうな顔をしていて
水瀬伊織
ボクを見たとき、ほんの少しだけ明るい顔をしてくれた気がして、ボクはそれが嬉しくって
水瀬伊織
ボクのカラダがボロボロになっちゃったとき、慣れない手つきで必死に直してくれた
水瀬伊織
絆創膏だらけの手が、なんだかとてもあたたかくて
水瀬伊織
クラスの子にバカにされたとき、悔しくってボクをぎゅっとしたとき
水瀬伊織
初めて触れた涙が、なんだかとても悔しくって
水瀬伊織
キミはボクに話しかけてくれて、その度に笑顔になってくれたの、嬉しかったんだ
水瀬伊織
しばらく経って、キミはアイドルになって
水瀬伊織
自分の足で歩いていくんだなって、もうボクはいらないのかなって思っちゃった、内緒だよ
水瀬伊織
でもキミは変わらずボクをそばにおいてくれて、嬉しかったなぁ
水瀬伊織
…ねぇ、伊織ちゃん、アイドルって楽しい?
水瀬伊織
伊織ちゃんは、アイドルになってから笑うことが増えたけど、泣くことも増えたような気がして
水瀬伊織
あの涙は悔しいからなのかな、ボクにはわからなくって
水瀬伊織
……でもね、ボクもちょっぴり悔しかったんだ
水瀬伊織
だって、涙を受け止めるのはボクだけだと思ってたんだもん
水瀬伊織
…伊織ちゃんの隣には、新しくお友達ができたんだもん
水瀬伊織
それに、プロデューサーさんも
水瀬伊織
嬉し涙も、悔し涙も、ぜーんぶみんなが持っていっちゃうんだ
水瀬伊織
ボクがもらえるのは、笑ってる顔だけ
水瀬伊織
……嬉しいことなのかもしれないけど、贅沢かもしれないけど
水瀬伊織
またあの頃みたく、キミの涙を受け止めたくって
水瀬伊織
…きっと、受け止められるのはほんの少しだけだけど
水瀬伊織
はじめての涙、はじめての笑顔、はじてだらけ
水瀬伊織
ずっとキミとはじめてを分かち合っていたかったんだ
水瀬伊織
……ずるいよ、ボクのほうがずっと長生きできるのに
水瀬伊織
直してくれれば、ずっと一緒なのに
水瀬伊織
…ねぇ、伊織ちゃん
水瀬伊織
これからキミが感じていく『はじめて』は、きっとボクがあげられなかったものばかりだから
水瀬伊織
ボクはそばで応援することしかできないけど
水瀬伊織
いつかボクのこと、忘れちゃうかもしれないけど
水瀬伊織
キミの誕生日ケーキが見られなくなっていくかもしれないけど
水瀬伊織
いつかくる『ありがとう』まで、そばにいてもいいですか?
水瀬伊織
……その日まで、伊織ちゃんのこと、任せたからね
(台詞数: 34)