水瀬伊織
ふーん。じゃ結局まだ付き合ってはいないんだ。
馬場このみ
そこまでは踏ん切りが付かないみたい。アイドルやってるからってのもあるんでしょうね。
馬場このみ
とはいえあれは時間の問題ね。本人無自覚でひたすら惚気てるんだもの。
馬場このみ
波長が合うだの顔見るだけでほっと出来るだの。砂糖吐くかと思ったわ。
水瀬伊織
へえ。あずさがそんな事言うだなんて何か意外だわ。
馬場このみ
あなた達の前だとお姉さんとして振舞ってるからね。
馬場このみ
伊織ちゃんこそ意外だわ、こういう話興味無いと思ってたんだけど。
水瀬伊織
興味とかじゃないわ、事務所の事は把握しとかないと揉め事にでもなった時に困るもの。
馬場このみ
はいはい、そういう事にしとくわね。ま、あなたなら洩らす心配は無いでしょうし…
百瀬莉緒
おはよう姐さん。ね、ちょっと思いついたんだけど…ってあれ、何か話してたの?
馬場このみ
おはよう。別に大したことじゃないわよ。
水瀬伊織
(あら、相方には話してあげないの?薄情なのね。)
馬場このみ
(いずれ話すわよ。ただこの子隠し事出来ないタイプだから…)
百瀬莉緒
ん、どうかした?
馬場このみ
何でもないわ。それより何思い付いたの?
百瀬莉緒
今日はね、ひとつ誰かに振られてみようと思うのよ!
水瀬伊織
…馬鹿馬鹿しすぎてまともに聞く気も起きないけど一応聞いたげる。何で?
百瀬莉緒
あら伊織ちゃん、そんな事言って実は興味津々かな?相変わらずのツンデレね。
水瀬伊織
帰っていい?
百瀬莉緒
ま、ま、一応根拠はちゃんとあるから。あのね、失恋って女を綺麗にするものなのよ。
百瀬莉緒
失恋の悔しさ、寂しさ。泣きたい気持ちをぐっと堪えるその姿。
百瀬莉緒
男の人ってそういうのを見るとつい守ってやりたいって気持ちになっちゃうものなのよ。
馬場このみ
まあまるっきりの間違いとも言えないわね。
百瀬莉緒
でしょ?てなわけで早速実践してくるわ。ちょっと外すわね!
水瀬伊織
…あほくさ。あれでいてライブとかの時はすごく真面目なんだものね、わけわかんないわ。
馬場このみ
それだけオンオフの切り替えが上手いって事よ。仕事の事ばかり考えてると息切れしちゃうでしょ。
馬場このみ
その点で莉緒は「よく学びよく遊べ」ってのを一番うまく実行出来てるのかもしれないわね。
水瀬伊織
ふーん、物は言いようね。
馬場このみ
色んな見方が出来るって言ってちょうだい。これもオトナならではよ。
水瀬伊織
それはそれとして、莉緒は本当に何も知らないの?あんな事言うなんてタイミングが…
馬場このみ
いや、むしろ知ってたら言わないでしょ。いくら何でもまさか…
百瀬莉緒
うう、姐さ~ん…
馬場このみ
…どうしたの?
百瀬莉緒
プロデューサー君に「告白するから振ってみて」て頼んだら真顔で怒られちゃった…
馬場このみ
おうおうよちよち、可哀そうにねえ…
馬場このみ
ってアホか!当たり前よ!
百瀬莉緒
痛っ!ちょっとおでこ叩かないでよ、伊織ちゃんみたいになったらどうするの!
水瀬伊織
どういう意味よそれ!
百瀬莉緒
…あーあ、これも駄目だったかあ。なかなか上手くいかないわねえ。
水瀬伊織
むしろどうしてうまくいくと思ったのかを知りたいわね。
水瀬伊織
まったく、よりによってプロデューサーに告白するだなんて洒落にならない…
百瀬莉緒
ん、何で?演技の練習みたいなもんでしょ?
水瀬伊織
…な、何でもないわ!ほら、アイドルがそんな簡単に告白なんてだめよ~みたいな?
百瀬莉緒
そう…?
水瀬伊織
(もう、プロデューサーにそんな事言うなんて。あずさの件があったばかりだってのに…)
百瀬莉緒
うーん、伊織ちゃんの言ってたの、どういう意味なのかしら。告白が洒落にならない…?
百瀬莉緒
真面目に受け止めてしまうから?けど、断ってくれって頼んだわけだし…
百瀬莉緒
ははあ。さてはもしかして、私の告白を断りたくないなんて思っちゃうから、とかかしら?
百瀬莉緒
ふふ。告白の練習も出来ないだなんて、いい女は罪ねえ…
百瀬莉緒
まさか、そんなわけない…わよね?
(台詞数: 50)