宮沢賢治も怒髪衝天。
BGM
エスケープ
脚本家
sikimi
投稿日時
2015-10-15 18:23:10

脚本家コメント
宮沢賢治「THIS WAY FIRST…COMES…ROCK…」
──あれからどうしたって…?総動員で何とかしたわ。もうしばらく見たくないわ…うう…。
大体おかしいと思ったのよ!姿が出ない役なのに率先してやりたいって言うんだもの!!
そもそも脚本が入れ替わってるし!!なんでアンタちゃんと確認してなかったのよ!
…って、アンタその体。もしかして、プロデューサーも被害者だったの…?
…ごめんなさい。そうね、今はこの平和な時間に感謝しましょう。私達、生き延びたんだもの…。

コメントを残す
水瀬伊織
『2人の若者が山中を進んでいると、一軒の料理店を見つけました。』
水瀬伊織
『道の無い道を歩き続けた2人は空腹です。渡りに船とばかりに店に入りました。』
野々原茜
『おや、扉に文字が書いてあるよ。なになに…?』
七尾百合子
『どなたもどうかお入り下さい。決してご遠慮はありません、ですって』
水瀬伊織
『2人は扉を開けて、奥に進みます。すると廊下があり、奥にはまた扉がありました。』
野々原茜
『…何だか変わった建物だね。奥の扉にも何か書いてあるし。』
七尾百合子
『寒い地方ではよくある建物ですよ。えっと…肥えた方や若い方は大歓迎致します。』
野々原茜
『茜ちゃん達は肥ってないけど、若さとパッションに溢れてるよ!』
水瀬伊織
…自分たちは両方兼ねてるからね、でしょ!
水瀬伊織
『こほん。更に奥に進むと、次の扉にこう書いてありました。』
七尾百合子
『当店は注文が多い料理店ですが、どうかいちいちこらえて下さい。』
野々原茜
『…茜ちゃん、待たずに帰ってコンビニのプリンが食べたい!』
七尾百合子
『いやいや、そういう物語ですから…。』
水瀬伊織
『…一悶着あったものの、2人は先に進みました。すると、どんどん注意書きが現れます。』
七尾百合子
『荷物はここに置いていって下さい。』
野々原茜
『茜ちゃん人形も置いていこう。プレゼントフォーユーだよ!』
七尾百合子
『どうか、帽子と上着と靴をお取り下さい…?』
野々原茜
『食べてたら体が温かくなるのかな?』
七尾百合子
『眼鏡ややネクタイピン等、尖ったものや金属類は置いていって下さい。』
野々原茜
『ベルトは外さないよ?茜ちゃん、ストリップは受け付けてないからね!』
水瀬伊織
『少し進むとまた扉があって、その前に鍋が置いてありました。』
水瀬伊織
『…鍋?』
野々原茜
『外は寒かったでしょう。卵のスープを飲んで温まって下さい。』
七尾百合子
『これは良いですね!温まります♪』
水瀬伊織
『お腹を少し満たして扉を開けます。するとそこには湯気を立てる蒸籠がありました…?』
七尾百合子
『ここに来るまでに消費したカロリーを、小篭包で補って下さい。』
野々原茜
『カロリー…だと?』
野々原茜
茜ちゃん、麗花ちゃんと漫才の打ち合わせがあったんだった!!百合子ちゃん後はよろしく!
七尾百合子
待って下さい!私だってやり残したことがあります!!
野々原茜
と、扉が!扉が開かない!!【ガチャガチャ】
七尾百合子
…諦めて、進むしか無いんですね。
野々原茜
あ、茜ちゃんは希望を捨てないよ!!あくまでこれは劇なんだから!
水瀬伊織
『意を決して、胡麻油の香りが漂う扉を開けます。』
水瀬伊織
『奥の部屋にも扉が一枚あって、こう書いてありました。』
水瀬伊織
『お待たせしました!たんと召し上がって下さいね。わっほーい!!』
野々原茜
『あ…ああ…もうダメだ…お終いだぁ…。』
七尾百合子
『助けて、宮沢賢治…。』
水瀬伊織
『2人は顔をくしゃくしゃに歪め、ぶるぶると震えて、声も無く泣きました。』
水瀬伊織
『……。』
水瀬伊織
これ以上劇なんてやってられないわよ!!猟犬役の貴音、奈緒!先に行って平らげてきなさい!!
水瀬伊織
なに、人が足りない!?人ならそこら中にいるわ!観客もスタッフも皆手伝いなさい!!
水瀬伊織
──演者も、客も、裏方も入り乱れた舞台の端っこで、料理店玄関に掛けられた看板が揺れます。
水瀬伊織
──そこには、こう記してありました。
水瀬伊織
──『中華』料理店 山猫軒、と。

(台詞数: 44)