徳川まつり
また来たのですね。
ロコ
オフコース。引き下がる訳にはいきません。
徳川まつり
何が出来るのです……たかが芸術に。
ロコ
ロコアートはユースフルです。いつか世界を救います。
徳川まつり
絵空事を。
徳川まつり
この国の兵がどのように死んでいくかご存知ですか?
徳川まつり
銃ではありません。空爆でもないのです。
徳川まつり
……飢餓、なのですよ。
徳川まつり
あの空を覆う鉛色の物質。
徳川まつり
より良い結末を求め、同じ時間を繰り返す末に生じた《時の灰》。
徳川まつり
もはや事態は一刻の猶予を許しません。作物の育つ、他国の土地が必要なのですよ。
徳川まつり
貴女の作品は陽を恵みますか? 飢餓から救いますか?
ロコ
ノー、ですがロコは……!
徳川まつり
御託は結構。
徳川まつり
ならば示してみせるのです。貴女の理想を、貴女のやり方で。
徳川まつり
──────。
水瀬伊織
随分と毛嫌いするのね。
徳川まつり
あのような言動は和を乱すのです。
徳川まつり
まるで、理想もプライドも捨てたまつり達を嗤うようで。
水瀬伊織
……ふん。
水瀬伊織
ああ、例の作戦だけどね。
水瀬伊織
奇襲は失敗したわ。
徳川まつり
……なぜ。
徳川まつり
なぜ撃たないのです。貴女なら殲滅する事など容易いでしょう?
水瀬伊織
……まつり、アンタは変わった。
徳川まつり
変わったのは環境の方です。
徳川まつり
綺麗事ばかりではもうこの国が保たないのです。
徳川まつり
異常な環境では、異常な反応を示す事こそ正常……そうは思いませんか?
水瀬伊織
……それが「姫」の宸念なのね。
水瀬伊織
なら、ひとつだけ言わせて。
水瀬伊織
まつり、お願い。
水瀬伊織
アンタ自身の運命を、ほんの少しでも愛してあげて。
徳川まつり
……運命。ふふ、運命ですか。
徳川まつり
拳拳服膺なのですよ、伊織ちゃん。
(台詞数: 34)