深緑の喫茶授業
BGM
bitter sweet
脚本家
親衛隊
投稿日時
2015-07-02 11:30:57

脚本家コメント
長いです。ご容赦を。
前作二個下 思い出
http://m.ip.bn765.com/app/index.php/drama_theater/info/uid/1300000000000031424/seq/372

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北沢志保
木漏れ日溢れる森の奥にぽつりと建つ、小さくてお洒落なお店。
北沢志保
そこで出会った……まるでお人形みたいに可愛い店主。
北沢志保
そして、ここで働くことになった私。
北沢志保
……自分で言っておいて、まるで実感が湧かない。
北沢志保
正直、私に知識なんてないし、珈琲の細かな味の違いなんて分かりそうにない。
北沢志保
なのに働かせてくださいなんて……今になって、己の軽率な行動に先行きが不安になった。
水瀬伊織
「ま、そんなもんよ」
北沢志保
しかし伊織さ……店長はそう言って、カウンターへ向けて歩き出し、
水瀬伊織
「難しく考えることなんてないの。にひひっ」
北沢志保
いたずらな笑みを浮かべつつ、高級そうなサイフォンセットの前に立って、
水瀬伊織
「要は美味しければいいのよ!」
北沢志保
くるりとターンをして、言い放った。
北沢志保
「……」
水瀬伊織
「……なにか言いなさいよ」
北沢志保
「はあ……」
北沢志保
ここでのキャラを掴めた瞬間だった。
北沢志保
――――――
北沢志保
まず教えられたのは珈琲の淹れ方だった。
水瀬伊織
「制服……まだないしね」
水瀬伊織
「でもこれさえ出来れば、あんたは念願かなって私の右腕になれるし、」
水瀬伊織
「私も手間が省けて一石二ちょ……こほんこほん」
北沢志保
……らしい。
北沢志保
店長の右腕云々はともかく、ここでは必須技能だろう。
水瀬伊織
「じゃあまずはお手本。よーく見てなさい?」
北沢志保
……。
北沢志保
……。
北沢志保
実演終了。
北沢志保
感想、美味しい。
北沢志保
店長の淹れた珈琲は、私でもはっきりとそう言える代物だった。
北沢志保
「……うぅ」
北沢志保
余韻に浸ることなく、テーブルの上にある余白九分九厘のメモを見て嘆いた。
北沢志保
濾過器にネルフィルターを付けてロートがああしたらお湯を注いでネル部分をどうのこうの……
北沢志保
序盤からメモを取る手が停止していた。
水瀬伊織
「ま、そんなもんよ」
北沢志保
優しいフォロー。無力な自分に嫌気が差す。
水瀬伊織
「今のは見せたかっただけ♪」
北沢志保
気のせいだった。
水瀬伊織
「こんなのはね、やってみてなんぼなのよ。ほら、こっち来なさい」
水瀬伊織
「火傷とかしないように注意しなさい?」
北沢志保
「は、はいっ」
北沢志保
触ったことのない器具に悪戦苦闘。
北沢志保
挽いた豆の分量を間違えたり、フラスコからお湯が溢れたりと簡単な所ですら躓く。
水瀬伊織
「ん、ゆっくりでいいのよ」
北沢志保
それでも店長は優しく。
水瀬伊織
「あら、意外と器用なのね」
北沢志保
都度、柔らかに褒めてくれる。
北沢志保
思えば、この時からだろう。
北沢志保
この人に惹かれ始めたのは。
北沢志保
尊敬する貴女に応えるが為に。
北沢志保
日夜努力をしようと誓ったのは。

(台詞数: 50)