水瀬伊織
はー、はー。……もうヘトヘトよ。
福田のり子
目的地ってここかな?そこそこ遠かったかなあ。……風花さーん!
水瀬伊織
「そこそこ」じゃないわよ!なんでアンタのバイクで、小一時間揺らされないといけないわけ!?
水瀬伊織
分かってんの!今日は伊織ちゃんの、誕・生・日!!プレゼントが有るって言われて……
水瀬伊織
乗ったことないバイクのタンデムシートで、散々揺らされるなんて有り得ないわよ!
福田のり子
……ごめん、気に入らなかったかなあ。
福田のり子
風花さんと話したんだけどね。IMCのときお世話になった伊織に、どんなプレゼントするか……
福田のり子
その気になれば大抵のものを手に入れられて、色んなことも経験してる伊織に、特別を贈れるか……
福田のり子
それで考えたんだ。伊織は、バイクの二人乗りなんてやったことが無いだろうって。
水瀬伊織
……そうね。うちでは誰もバイクに乗ろうなんて考えないわ。オープンカーには乗るけど……
福田のり子
……どうだった?楽しかった、かなあ?
水瀬伊織
……正直、乗り心地は良くないわね。ずっとしがみついてないといけないのも辛いし。
福田のり子
そっか……
水瀬伊織
でもなんだか、新鮮で楽しかったわ。風で煽られる感覚とか、道路の凸凹とかが分かって。
水瀬伊織
……そういう意味なら、すごく良い経験だったよ。
福田のり子
そう言ってもらえると嬉しいよ。断られるかも、バイクが嫌いになるかもって不安だったから。
豊川風花
二人ともお疲れ様。伊織ちゃん、私からのプレゼントはこっちに用意してあるの。
水瀬伊織
って、ここ幼稚園じゃない!何が悲しくて、今更こんなところに来なくちゃいけないのよ!?
豊川風花
この幼稚園は、私の友達が保母さんをしてるから、ちょっと頼み事ができたの。
豊川風花
今日は休園日だから、アイドルの私達が来ても大丈夫!さあ、こっちへどうぞ。
水瀬伊織
……なに此処、砂場?なんで柵がしてあるわけ?
豊川風花
ここはウサギさんのお家なの。ちょっと中に入ってみましょ。
豊川風花
……ほら、少し前に子ウサギが生まれたそうなの。この子達ね。
水瀬伊織
ちっちゃいわね。でも、結構重たい。それに……あったかい。熱いくらいね。
豊川風花
伊織ちゃんはいつも縫いぐるみと一緒でしょ?その子を大事にしてるのは分かるけど……
豊川風花
「命」って、こういうものなんだって体感してほしかったから……差し出がましかったかしら?
水瀬伊織
……そうね。正直びっくりしたかも。縫いぐるみとは違うのね……
水瀬伊織
でも、もう抱くのはやめるわよ。……お母さんウサギが、不安そうにこっち見てるし。
豊川風花
……そういうことに気づけるのは、伊織ちゃんが大人ってことね。私の方が驚かされちゃった。
水瀬伊織
……今日は、今まで貰ったことが無いプレゼントをありがとうね、風花。それにのり子。
水瀬伊織
……じゃあ、二人が体験したことない規模の、私の誕生日パーティーに招待するわ!
福田のり子
はーい!じゃあ伊織、また後ろのシートに座ってね!
水瀬伊織
う……またあの揺れを味わうわけ?腕もパンパンよ。
豊川風花
じゃあ私は、お先に伊織ちゃん家に向かうわね。
水瀬伊織
って、風花はタクシー移動するの!?あたしも一緒に乗せてってよ!
(台詞数: 35)