二階堂千鶴
空港で見送りなんて言うからどこの窓口かと思いきや、プライベートジェットだなんて…
水瀬伊織
アンタもいずれ利用する事になるんだし、覚えといてね?
二階堂千鶴
伊織、その事ですが…
水瀬伊織
あ、兄さん。じゃ、2人共出発までごゆっくり。千鶴、また後でね。
二階堂千鶴
お待たせしましたわ…ええ、ご返事についてですけど。
二階堂千鶴
正直に申し上げます。恥ずかしながらわたくし、この年齢まで殿方に恋した事が無かったんですの。
二階堂千鶴
ですから、あなたに告白されて舞い上がって、ついそれに引きずられて。
二階堂千鶴
ええ、仕方無しに付き合い出したようにも思います…話を続けてよろしくて?
二階堂千鶴
ですけど、ずっとあなたといるうちに、その、段々と引かれていって、気付いたら…
二階堂千鶴
セレブアイドルを名乗るわたくしも、そうでない私も、どちらも好きだと言ってくれましたわね?
二階堂千鶴
生涯、忘れませんわ。ですけれど。
二階堂千鶴
わたくしには、あなた以上にわたくしの事を想ってくれる仲間達と、
二階堂千鶴
わたくしが二階堂千鶴として生きていく為の大切なお仕事があるのですわ。
二階堂千鶴
ええ、妹さんもそうですわね。あなたについて行けば、その二つを無くしてしまう…
二階堂千鶴
どちらもわたくしには、手放せないものなんですの。…申し訳ありません。
二階堂千鶴
…ええ、それじゃ、お気を付けて。お身体、御自愛なさってね?働きすぎないように。
二階堂千鶴
またいつか?そうですわね。わたくし、トップアイドルになって本物のセレブになってみせますわ。
二階堂千鶴
その時は、どこかのパーティ会場ででもお会い致しましょう?おーっほっほっほ…ゲホゴホッ。
二階堂千鶴
…さようなら。元気でいて下さい。
水瀬伊織
…千鶴、話は終わった?
二階堂千鶴
ええ。ちょっとわたくし、化粧を直して参りますわ。
水瀬伊織
あ、ちょっとどこ行くのよ…何よ、兄さん…え?
二階堂千鶴
…
二階堂千鶴
…グスン。やっぱりなんだかんだ言って、辛いですわね。
二階堂千鶴
さようなら、わたくしの初恋。本当に楽しかったですわ。
水瀬伊織
あ、千鶴。兄さん、もうすぐ出発するって。
二階堂千鶴
…そうですか。
水瀬伊織
聞いたわ。本当にそれで良かったわけ?
二階堂千鶴
勿論ですわ。
水瀬伊織
そう。…兄さんがね、せめて最後くらい見送ってくれって。
二階堂千鶴
…分かりました、今行きますわ。
水瀬伊織
兄さん、連れて来たわよ…ええ、元気でね。
二階堂千鶴
…
水瀬伊織
え、何よ…はあ?分かったわ。ちゃんと伝える。それじゃ、お気を付けて。
二階堂千鶴
最後、何を言ってましたの?
水瀬伊織
えっとね、その、なんと言っていいのかしら、良いのか悪いのか判断に苦しむんだけど。
二階堂千鶴
なんですの?
水瀬伊織
「海外だと長く独身で通すのは困るから、早目にトップアイドルになってくれ」ですって。
二階堂千鶴
はあ。どういう意味ですの、それ?
水瀬伊織
海外だとね、ゲイでも無いのに独身だと性格に問題ありと疑われて取引に不利になる事があって…
二階堂千鶴
そうではなくて!
水瀬伊織
ま、要はお兄様はアンタを諦めてないってことでしょ。
二階堂千鶴
はあ?あのですね、わたくし悩んで、必死に考えぬいて…
水瀬伊織
まあほら!良かったじゃないの、諦めずに済んで。
二階堂千鶴
伊織、あなたはよろしくて?わたくしが悩んだのもそもそもあなたに言われたのが…
水瀬伊織
お兄様にそこまで言われるとね。それに、トップアイドルになればもういいんじゃない?
二階堂千鶴
本当に強引な人ですわね。あなたによく似てますわ。
水瀬伊織
どう致しまして。それじゃ帰りましょうか、「お義姉様」?
二階堂千鶴
はあ。どうなりますことやら…
(台詞数: 49)