水瀬伊織
流石に意味のわからないことを……
水瀬伊織
やってる場合じゃないわよね!
水瀬伊織
……
水瀬伊織
……あれからしばらく歩き回って、いや、途中走ったり跳んだり跳ねたりしたけど。
水瀬伊織
頭はかなりすっきりしてきた。多分もう寝ぼけてはいないはず。
水瀬伊織
でも、私の周りはまだおかしなままで、それがおかしい私は普通だった。
水瀬伊織
となると、とっても気味の悪い。
水瀬伊織
まるで、寝ないまま夢の中に来てしまったみたい。
水瀬伊織
いや、逆に……夢を見たまま起きてしまったのかもしれないわね。
水瀬伊織
夢……やっぱりそうなのかしら。さっきは冗談で言ったけれど、今はそんな感じがしてきたわ。
水瀬伊織
今まで見てきた部屋も、空も明るいのも怖いものも……全部懐かしかった。
水瀬伊織
何かは知らないはずだけど……きっとずっと私の中にあったんだ。
水瀬伊織
全部知ってるだけの世界……なら、もっと安心出来て良いはずなのに……
水瀬伊織
さっきから、怖かったり辛かったりしたけど……安らぎ感は全く無かったわね。
水瀬伊織
一体全体なんでかしら……
水瀬伊織
……
水瀬伊織
あ、そっか!
水瀬伊織
ここはずっと私の中にあった場所。全部を私が知った場所。
水瀬伊織
……だからここには、未来が無い。
水瀬伊織
……神様って、こんな気持ちなのかしら。
水瀬伊織
お先真っ暗どころか、お先なんて無いじゃない。
水瀬伊織
……とにかく、こんなところ早く出ないとね。
水瀬伊織
……そもそも、なんでこんなところに居るのかしら……?
水瀬伊織
……思い出したくないのかしら?ありがちね。
水瀬伊織
でも、こうして夢から出たがってるわけだし?
水瀬伊織
……ここに居てもしょうがないわね。
水瀬伊織
あら……そういえば、さっきより随分落ち着いてるのはなんでなのかしら。
水瀬伊織
……
水瀬伊織
レム睡眠?
水瀬伊織
まあ、浅いのと深いのどっちがレムでノンレムか忘れたけれど……なんか関係ないあるのかもね。
水瀬伊織
さて、それじゃそろそろ。
水瀬伊織
「ここに残りましょうか」
水瀬伊織
……
水瀬伊織
……今の何?私が言ったの?
水瀬伊織
「ここに来たのだって私の意思よ」
水瀬伊織
まあ、そうなんでしょうけど。
水瀬伊織
「忘れたのは忘れたかったからでしょ。いつだって」
水瀬伊織
しがちね、確かに。でも忘れたんなら考えさせてよ。
水瀬伊織
「まあ、強制はしないけど」
水瀬伊織
あ、意外と良心的!
水瀬伊織
「出たければ出れば良いんじゃない?」
水瀬伊織
そうそうそう!なんでこんな簡単な事に気づかなかったのかしら!出たければ出ればいいのよ!
水瀬伊織
……って!出来たらやってるわよ!
水瀬伊織
「私の意思よ」
水瀬伊織
……それも、きっとそうよね。
水瀬伊織
……その時、
水瀬伊織
急に外から頭を叩かれて……
水瀬伊織
私の知らない痛みが走る……
水瀬伊織
感激するほど味のしない
水瀬伊織
そこで私の世界が終わる
(台詞数: 50)