福田のり子
はぁ……はぁ……。斬っても受けられ、突いても止められ、不意打ちの投げナイフまで凌がれた……
福田のり子
……分かっていたけど、こいつ、強い……。
エミリー
……鬼の棲家といえど、此処は日の本の国。呪歌は効果を現す筈なのに……
エミリー
……全く通用していません……。いったいどうすれば……
天海春香
はーはっはっは!弱い、弱いぞ人間ども。話にならぬわ!
天海春香
そのような力量では、我らが女王様に面通りすることなど、まかり通らぬわ!
福田のり子
まさか私達が、全く及ばないなんて……
エミリー
……いったい、かの者の無限の力は何処からやって来るのでしょうか。
天海春香
よかろう。どうせ最早降伏を受け容れるつもりも無い。冥土の土産に教えてやるわ。
天海春香
我が力の源、それは……
天海春香
我が力の源、それは……『ファンの想い』なのだ。
天海春香
……かつて私はアイドルとして、多くの声援を受けていた。
天海春香
成功者、希望の星、憧れの的、恋愛対象……そういう想いを一身に受け、輝いていたのだ。
天海春香
賞レースに勝ち、ライバルのアイドルに勝ち、悲しい出来事や苦しみに克つ。
天海春香
……ファンの『想い』を受けていれば、私は何者にも負けぬ。
天海春香
ファンの『想い』が籠められたこの大地に立つがゆえ、私は無敵だ!
天海春香
そこな剣士!お主の太刀筋は見事だが、鬼の膂力と敏捷性の前では無力!
天海春香
そこな歌詠み!お前の呪歌は天地(あめつち)は動かしても、私には通じぬ!
天海春香
……分かったか!では、絶望の中で果てるがよかろう。
福田のり子
……伝説のトップアイドル。天海春香は失踪したと聞いたけど……こんな形で相見えるなんて。
エミリー
……のり子さん。
福田のり子
……エミリー、今こそオペレーション『T』だよ!
エミリー
『丁字作戦』ですね。それでは、推して参ります!
天海春香
……どうした歌詠み。近づいても呪歌の威力は高まらぬぞ。
エミリー
……こうするのです!
エミリー
……こうするのです!秘技!『双塔橋固め』!!!
天海春香
イタタタタタタッッッ!!!背骨、背骨が痛いって!なになに、どうなってるの!?
福田のり子
ファンの『想い』が籠もった大地に立ってたら無敵なら……地面から足を離させればいいワケ。
福田のり子
『タワーブリッジ』なら、全身を担ぎ上げちゃうから、大地との繋がりは切れるよね!
天海春香
いやそれは分かるけど!なんでこんな細腕の極め技が外せないの!?
エミリー
そもそも、のり子さんの専業は剣士ではなく、組み打ちなのです。
エミリー
いざという時の切り札にするため、技を幾つか、ぶつかり稽古で伝授してもらいました。
福田のり子
エミリー、そこは『プロレス』とか『スパーリング』とか言ってほしいな!
天海春香
分かった分かった!ギブギブッ!これ以上背骨や腰をやられたら、冗談にならないよ!
エミリー
……降伏を受け容れないと言ってらしたのは、どちら様でしたっけ?
天海春香
……
天海春香
ふええ、助けて莉緒お姉ちゃん〜!……お許しください、朋花女王様〜!!
(台詞数: 37)