水瀬伊織
……新堂?昼間に電話した件、どこまで調べがついた?
水瀬伊織
……現在バイヤー達の元には、在庫が無いのね。それじゃあ次は、購入者を当たって。
水瀬伊織
……余計な気は回さなくていいわ。あくまでごく私的な事なんだから。
水瀬伊織
……交渉に行くのは、あたし「達」なんだから。コンタクトを取るまででいいわ。
水瀬伊織
水瀬の力は情報収集に使うけど……友達のためのことまで、それに頼っちゃダメなんだから。
水瀬伊織
くれぐれもパパ達に悟られないように、静かに進めてね。こんなこと頼めるのは、新堂だけだから。
水瀬伊織
……
水瀬伊織
まったく、若いうちの苦労は買ってでもしろとは、よく言ったものね。
水瀬伊織
まあ、あたしが蒔いた種でもあるから、自分でなんとかしてみせるわよ。
水瀬伊織
(回想中)
水瀬伊織
誕生日おめでとう、貴音。アンタのことだから、ファンからもラーメンを貰うでしょうから……
水瀬伊織
伊織ちゃんからは、ウォーターサーバーを贈呈よ!ボタン一つで、冷水も熱湯も遣い放題よ。
四条貴音
なんと!水を器に入れておくだけで、何時でもかっぷらぁめんに湯を注げるとは!
四条貴音
真に佳き品を頂きまして、深く感謝申し上げます。
水瀬伊織
ちょっと貴音、誕生日プレゼントなんだから、貰うほうは普通にしてればいいの。
水瀬伊織
……って、貴音、そんなペンダント持ってたかしら?見たこと無いけど。
四条貴音
これは、プロデューサーから賜った品です。甚く感激しましたゆえ、身につけております。
水瀬伊織
へー、ムーンストーンもピンキリだけど、なかなか上質なものを選んだみたいね。
四条貴音
……月の石に、上質なものや普及品が有るのでしょうか?
水瀬伊織
そりゃそうよ。数百円のものも十数万円のもあるわ。品質次第でね。
四条貴音
月の石は、そこまでありふれたもの……なのですか?
水瀬伊織
ダイヤやルビーまでの市場規模はないけど、産出地やサイズくらいは語られるわね。
四条貴音
……
水瀬伊織
……どうしたの貴音、さっきから様子が変だけど。
四条貴音
……いえ。どうやら私、少し思い違いをしていたようです。
四条貴音
月の石というならば、あの天に輝く月の、その破片だと思い込んでおりました。
四条貴音
月に深く縁を感じている私に、プロデューサーが本物の月を授けていただけた、と……
水瀬伊織
あ……なんだか悪いこと言っちゃったかしら。
四条貴音
……いえ。私の蒙昧さを晴らしていただき、伊織には感謝しています。
四条貴音
……恋い焦がれても手に入らず、踏み入ることもできない。それゆえに、月は憧れの対象なのです。
四条貴音
それに、渡された品が何かより、私を想い、「月の石」を選ばれ、下さったプロデューサー……
四条貴音
その真心こそが、最も貴いもの……そうではありませんか?
水瀬伊織
そう……ね。貴音がそう言うなら、その通りだと思うわ。
水瀬伊織
……
水瀬伊織
口ではああ言ってたけど、落胆したのがありありとしてたわよ、貴音。
水瀬伊織
……だからあたしは、絶対に手にして貴音に渡すわよ!「月の石」を!
水瀬伊織
月由来の隕石の持ち主にコンタクトを取って、頭下げて、砂粒くらい欠片でも譲って貰うわよ。
水瀬伊織
……もちろん、あのバカにも付き合ってもらうわ。アンタもやり通しなさい、プロデューサー!
(台詞数: 38)