二階堂千鶴
お、お待ちくださいまし!後生ですから、話を聞いてください。
水瀬伊織
なによ千鶴!?あたしこれからロケだから、時間無いわよ。
二階堂千鶴
お願いです。五分だけでもいいから、わたくしの相談を聞いてくださいな。
水瀬伊織
はいはい、五分だけだからね。まったく伊織ちゃんってばお人好しね。
二階堂千鶴
……実は、星梨花のお父上から、呼び出しを受けておりますの。
二階堂千鶴
『水瀬家のご令嬢は知っているが、二階堂家は面識が無いので、一度ご挨拶したい』、と。
水瀬伊織
……
水瀬伊織
なによそれ。言っちゃ悪いけど、身から出た錆じゃない。
水瀬伊織
……まあ、星梨花のお父さんもアンタの『正体』に検討つけてるんじゃないの、正直なところ。
水瀬伊織
……星梨花も、アンタを憎いとか、貶めてやろうとかは考えてないんじゃない?
水瀬伊織
星梨花の友人として、お邪魔すればいいんじゃないの?
二階堂千鶴
ええ……わたくしも、星梨花は純粋に劇場での出来事を話してるだけですし、
二階堂千鶴
伊織の言う通り、お父上も、劇場のメンバーの一人をもてなすだけのつもりだと考えてますわ。
水瀬伊織
じゃあ、悩むポイントなんて無いじゃない。
二階堂千鶴
大有りですわよ!わたくし、いったいどんな「手土産」を持って行けばよいか検討つきませんわ。
二階堂千鶴
父に相談したら、「並のお歳暮なんて目じゃないハムの詰め合わせを用意する」と申してますし……
二階堂千鶴
母は母で、「デコレーションケーキは早めに予約しないと迷惑よ」と言うだけで。
二階堂千鶴
……ねえ伊織、貴女ならどんな手土産を持っていくのですの?
水瀬伊織
……だからね。
水瀬伊織
そんないちいち、自分の手では持って行かないわよ。新堂に頼んで届けさせることは有っても。
二階堂千鶴
そ、そういうものなんですか……
水瀬伊織
星梨花の普通の友人として行くんでしょ。年齢相応の常識の範囲で用意したら?
水瀬伊織
あの星梨花の親御さんなんだから、心をこめて選んだ手土産を馬鹿にするとは思えないわよ。
二階堂千鶴
そうですわね。友人として、星梨花に恥ずかしい思いをさせないことだけ考えるようにしますわ。
箱崎星梨花
あ、千鶴さん、こんにちは。
二階堂千鶴
あ、あら、星梨花、ごきげんよう。
箱崎星梨花
あの、この前のお話なんですけど、パパもママもご用事ができて出かけちゃうんです。
箱崎星梨花
それでもよければ、今度うちに来てくれませんか?お菓子を持ち寄って、お茶会がしたいです。
二階堂千鶴
……あの、伊織。こういう時持っていくお菓子って、どんなものが相応しいんですの?
水瀬伊織
もう知らないわよ!近所の美味しいお煎餅でも買っていきなさいよ!
(台詞数: 30)