水瀬伊織
今日のお仕事もようやく終わりね
水瀬伊織
ま、私の誕生日を祝いたがるファンを放っておく訳にもいかないわ
水瀬伊織
けど、さすがに少し疲れたわね
水瀬伊織
……ん。グラスとオレンジジュースを用意するなんて、ちょっとは成長したじゃない♪
水瀬伊織
………………
水瀬伊織
思えば、こうしてプロデューサーとゆっくり話すのも久しぶりね
水瀬伊織
知っての通り、水瀬伊織はアイドルとして大成功よ
水瀬伊織
駅前の大画面で微笑む姿も、街に響き渡る歌声も、私のもの
水瀬伊織
今や、伊織ちゃんの名前を知らない方が珍しいくらいだわ
水瀬伊織
私は夢を捕まえた。パパやママじゃなく、私たちの力で
水瀬伊織
それなのに、いざ抱えてみたら、夢って案外軽いのよね
水瀬伊織
確かにここにある。そのはずなのに、ふわふわしてて、指の隙間からこぼれそうで……
水瀬伊織
今まで、夢は叶えるものだと思ってた。でも違ったのよ
水瀬伊織
叶えた後が一番大事なんだって、気付いたの
水瀬伊織
………………
水瀬伊織
自販機があって助かったわ。はい、コーヒーでいいわよね?
水瀬伊織
ひとつ、約束しましょう。二人で掴んだ、私達の夢……
水瀬伊織
この夢が終わらないように、一緒に夢の続きを探すわよ
水瀬伊織
コーヒーとオレンジジュースは、そのための盃酒の代わり
水瀬伊織
……大丈夫、きっとすぐに見つけられるわ
水瀬伊織
いつだって私を導いてくれたのはプロデューサーじゃない
水瀬伊織
あんたが飲み下すほろ苦さも、私が飲み込む甘酸っぱさも、無駄にはしない
水瀬伊織
もし明日この街の歌声が鳴り止んでも、あんたがそばにいる限り私は歌い続けるの
水瀬伊織
……終わらせて、なるものですか
水瀬伊織
………………
水瀬伊織
あれ、このグラスの底、何か書いてある……?
水瀬伊織
……『よくできました』、か
水瀬伊織
ふん。とんだ皮肉ね
水瀬伊織
今そんなことを言われたら、心が折れちゃうじゃない
水瀬伊織
本当、どうしようもないバカなんだから……
水瀬伊織
それよりあんた、人のグラスは用意してるのに自分は缶のまま飲むわけ?
水瀬伊織
みっともない。一流アイドルのプロデューサーとしての自覚を持ちなさい
水瀬伊織
……ほら、このグラスを使って。ちゃんと最後まで飲み干すのよ?
(台詞数: 33)