三浦あずさ
ねぇ、志保ちゃんって、お気に入りの絵本を探すのが趣味なのよね
北沢志保
はい、それが何か?
水瀬伊織
その中で、何か気になったものってある?何でもいいわよ
北沢志保
そうですね…では、『マヤウルのおくりもの』の話をしますね。
北沢志保
ある森にマヤウルと言う妖精が、いました。マヤウルは、一人で棲んでいます
北沢志保
ある日いつもの泉に行くと一人の女の子がねむっていました
北沢志保
マヤウルは、女の子に尋ねました
北沢志保
『ねえ、なにをしているの?』「森を歩いていたら道に迷ってしまったの」
北沢志保
『僕と一緒に遊んでくれたら、森の出口に、つれていってあげる』
北沢志保
女の子とマヤウルは、楽しく遊びました
北沢志保
夕方になり女の子は、お家に帰らなければならなくなりました。
北沢志保
女の子は、言いました「明日友達をここに連れてきてもいいかしら?」
北沢志保
マヤウルは、大喜び。もう、一人ぼっちではありません。
北沢志保
明くる日、女の子は、沢山お友達を連れてきました。
北沢志保
「私たちは、どこにもいかないよ」女の子は、言いました
北沢志保
「ずっとずっと、お友達だよ」みんなは、マヤウルと約束をしました。
北沢志保
時間が過ぎて女の子は大きくなりました。
北沢志保
学校に行かなくてはなりません。お家の手伝いをしなくては、なりません。
北沢志保
お友達は、一人…また一人と減っていき、やがて、マヤウルの事を忘れていきました
水瀬伊織
やりきれない話ね…
北沢志保
「マヤウルは、どうしているかしら?」大人になった女の子は、思い出しました
北沢志保
ある日、女の子はマヤウルに会いにいこうと、決心しました。
北沢志保
懐かしの森の奥に進んで行きます
北沢志保
「遊びにきてくれたんだね」女の子が大人になっても、マヤウルは、
北沢志保
何も変わっていません。ずっと一人ぼっちでまっていたマヤウルが、
北沢志保
可哀想で、涙がこぼれそうになりました
北沢志保
「ごめんなさい。もう、マヤウルとは、遊べないの」女の子は、泣きました
北沢志保
『僕のために涙を流してくれて、ありがとう』
北沢志保
『やさしさのお礼に贈り物をあげる』それは、お別れの言葉でした。
北沢志保
マヤウルは、”お別れの妖精“だったのです。
北沢志保
お別れの言葉は、かなしい出来事を思い出にかえるおまじない
北沢志保
女の子は、お別れの言葉を知った始めての人間になりました
北沢志保
そして、世界で一番やさしい人になったのです。
三浦あずさ
……なんだか、かなしいお話ね
北沢志保
私は、この話が嫌いです
北沢志保
楽しい事とか、優しくされた事を『過去』にするやり方が
北沢志保
正直、納得できません。
水瀬伊織
薄情ね。だったら女の子だけじゃなくて、友達も人を連れてきなさいよね
水瀬伊織
それなら、女の子が離れても、マヤウルも寂しくないでしょ
水瀬伊織
それでいずれは、出会いと別れの妖精って呼ばれるんじゃない♪
北沢志保
離れても、また新しく人が増えるやり方ですか…
水瀬伊織
そうよ。志保の言う過去じゃなくて、いつまでも進行形になればいいじゃない
水瀬伊織
私たち(765プロ)は、これまでもそういう風にしてきたつもりよ。
北沢志保
これからも…ですよね。少し不安は、ありますけど
三浦あずさ
ギュッ
北沢志保
え、あの、あずささん?
水瀬伊織
ちょ…ちょっと、なんで私まで、なんのつもりよ?
三浦あずさ
え?おまじない。志保ちゃんの不安が収まりますように…
北沢志保
もう、子供じゃないんですから…
三浦あずさ
伊織ちゃんには、女の子の代わりにお礼と言った所かしら、ありがとう
(台詞数: 50)