ジュリア
さて、
四条貴音
警察の事情聴取が始まる前に、聞いておきましょう。
高山紗代子
久しぶりだね。君たちが元気なようで嬉しいよ。しばらく見ない内に幾分険しい表情になったね。
ジュリア
そういうのは良いから、早く説明してくれ。
高山紗代子
説明? 大会に参加するつもりが誘拐されてしまった被害者に何が説明できるだろう。
四条貴音
そうですね。無事な様で何よりです。
ジュリア
全部だよ。お前が知ってる事、やろうとしている事、全部だ。
高山紗代子
あんまり怖い顔をしないで欲しい。まるで犯人にでもなった気分だ。
四条貴音
その怖い顔を軽減する為に星をあしらっているのですよね?
ジュリア
いや普通にカッコイイと思って描いてんだよ!!
高山紗代子
犯人……彼女に捕まったのは今日の朝、手続きを終えてすぐだ。
四条貴音
だから遅く来た私は顔を見てないと言うことですね。
高山紗代子
彼女の目的は大会を中止させる事らしい。私を人質に選んだのは偶々だそうだ。
高山紗代子
しかし大会側が中止せず、それを課題にしたのは誤算だったようだね。結局こうして捕まった。
高山紗代子
そして私は無事に発見されてめでたし、ということになっている。
ジュリア
で、一応聞くがどこに囚えられていたんだ。
高山紗代子
おや、聞いていないのかい? 一応答えるが、ずっと会場内にいたんだよ。
高山紗代子
勿論犯人の命令でね、私は脅されていたから嫌々従った。
高山紗代子
この変装も、出場者として振る舞ったのも命令で、やむなくね。ああ大変だった。
ジュリア
ではお前は、本予選も、開会式の時も、犯人と二人でその架空の出場者として振る舞っていたのか。
高山紗代子
そうなるね。
ジュリア
待て、予め登録された学校の登録された人物しか出場出来ない。
ジュリア
するとお前はその架空の人物として
高山紗代子
猫山耳子だ。
ジュリア
……猫山耳子として登録されていたことになる。つまり……
四条貴音
本題の前に、先にもう一つの疑問を解決したいのです。
四条貴音
あの時、何故あなたがチャットに顔を出したか、です。
高山紗代子
ふむ、一時的に犯人の監視に隙が出来て、発言はしないまでも存在を知らせる暇はあった。
高山紗代子
という事でどうだろう。自然だろう?
ジュリア
そうだな。お前のどの行動も自然だし、一被害者として相応しい行動に見えるな、ぎりぎり。
四条貴音
もう一つ、こんなに簡単に見つかってしまって良かったのですか。
高山紗代子
……まさか、今日1日はこれで耐えきるつもりだったんだ。それに。
高山紗代子
あんなに敏い新顔がいるなんて知らなかったからね。誤算だった。
四条貴音
そうそう、あの子についても後ほど話したい事があるのです。
ジュリア
まさか、あの小学生に全部持ってかれるなんてな。証拠だってあいつが見つけてきたし。
高山紗代子
それだよ。あの子と話して、君たちがどこまで知ってるのか分からなくなってね。
高山紗代子
ついつい失言してしまった。
ジュリア
失言2つめ。
四条貴音
ですね、委員長らしくもない。
ジュリア
チャットに出席していたのにも関わらず、あたし達がどこまで知っているか分からない。
高山紗代子
つまり? チャットに出席したのは私では無いと? あれが本人しか入れないのは知っているだろう
四条貴音
いえ、そこがそもそもおかしいのです。
ジュリア
ああ、とてもお前に出来るとは思わない。
ジュリア
スマホを駆使してチャットに出てくるなんてな。
高山紗代子
……
四条貴音
むしろ、ろっくを解除出来るかどうかが疑わしいです。
高山紗代子
信用されているようで嬉しいよ。
ジュリア
だが、そうなると余計にわからん。こいつ以外の誰かがこいつのアカウントを使った事になる。
四条貴音
……世界に一人だけ、それを可能な人物がいます。私も顔を見るのは初めてですが。
四条貴音
きっと、彼女が犯人なのでしょう。
(台詞数: 50)