四条貴音
さて、昼食に致しましょうか。美奈子、本日は何を…
エミリー
お疲れ様です。あ、貴音さま。これからお昼ご飯ですか?
四条貴音
…ええ。
エミリー
あの。よろしければ、私もご一緒させていただきたいのですが。
四条貴音
むろん構いませんよ。美奈子、エミリーの分もお願い致します。
我那覇響
はいさーい!お、いい匂いがしてると思ったらやっぱり何か食べてたか。
我那覇響
貴音、またラーメンか。本当に好きだな〜。今日は何杯食べたんだ?
四条貴音
ごちそうさまでした。いえ美奈子、替え玉は無用です。良き味でしたよ。
我那覇響
貴音が、一杯しか、食べてない…?
我那覇響
…うぎゃー!ど、どうしちゃったんだよ貴音。大丈夫、お腹でも痛いのか、それとも気分悪い?
四条貴音
平気ですよ、ご心配なく。
エミリー
あ、あのう…?
四条貴音
ああエミリー。騒がしくしてしまいましたね、平気ですよ。
エミリー
そうですか。では、お稽古に行ってまいりますね。
四条貴音
はい、それでは…ふう。
我那覇響
貴音、ほんとに大丈夫?もし具合悪いんならさ…
四条貴音
いえ、本当に何でもありません…(ぐぅぅ〜)あ。
我那覇響
なーんだ、お腹減ってただけか。あはは、すっごいお腹の虫だな、さすがは貴音だぞ。
我那覇響
…ってあれ?だったらラーメンもっと食べたら良かったじゃないか、なんで我慢してたんだ?
四条貴音
それは、そのう…エミリーがおりましたので、つい。
我那覇響
へ?
四条貴音
ご承知でしょう、エミリーは大和撫子に強い憧れを抱いております。
我那覇響
ああ、それで横文字使わないんだったよね。
四条貴音
ええ。そして、これは口に出すのは少々気恥しいですが、わたくしに憧れを持っている、と。
我那覇響
貴音は昔話に出てくるお姫様みたいだもんな。食べる時以外は、だけど。
四条貴音
はい…ですが、今のわたくしはまだ、憧れの対象となるに相応しい存在であるとは言えません。
四条貴音
それゆえ、せめてエミリーの憧憬を壊すような真似は慎まねばと思い、それでつい…
我那覇響
食べる量を控え目にしたってことか。いいんじゃない?大食いの大和撫子がいたって。
四条貴音
そうかもしれません。ですが、あまり例外的な存在を見せるというのもはばかられますし。
我那覇響
色んなこと考えるんだな貴音、後輩想いなのはさすがだぞ。
我那覇響
自分も環に懐かれてるけど、そんな事考えもしなかったもんな。
四条貴音
そうなのですか?
我那覇響
ああ。だって、環は自分の家族みたいなもんだからな。
我那覇響
家族にいいとこ見せようとは思っても、自分をヘンに変えたりまではしないもんだろ?
四条貴音
…。
四条貴音
…ありがとうございます響。おかげでようやく分かりました、わたくしもまだまだですね?
我那覇響
ん、何が?
エミリー
…お疲れ様です、貴音さま。どうかなさいましたか?
四条貴音
エミリー。大和撫子について、わたくしから一つだけ、教えておく事があります。
エミリー
WOW!本当ですか、お願い致します…あ。こういうのはダメですよね?
四条貴音
そうですね、言葉も確かに重要です。ですが…
四条貴音
いつか、あなたが英語を話す様になったら。その時こそあなたは大和撫子になっているでしょうね。
エミリー
ええっ、どうしてですか!?
四条貴音
自分を偽ってまで、他人から良く見られたいと思わない。大和撫子とはそういうものです。
エミリー
…では、勝手気ままに思う様に振舞った方が大和撫子に相応しいと?
四条貴音
それも違います。常日頃より自然に礼儀を損なわぬ事が大切なのです。
四条貴音
意識せずとも常に礼に叶った所作をすること。人前や特定の場所だけでは、駄目なのですよ?
エミリー
難しいのですね…私に出来るでしょうか?
四条貴音
ええ、あなたならいずれ必ず。頑張るのですよ?
エミリー
貴音さま…はい、ありがとうございます!
(台詞数: 50)