ReRise第46話『頂点の景色』
BGM
DREAM
脚本家
遠江守(えんしゅう)P
投稿日時
2017-05-17 01:38:20

脚本家コメント
最終話。
この長いお話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。↓以下、今後の展開
今後の展開は、ストーリーとしてこの続きを書くつもりは、今のところありません。
ですが、もし続きを書くとすれば、「未来にあるかもしれない戦い」を描く、いわゆるドリームマッチ方式にしようかと。
桃子と貴音も書きたい気持ちはあるのですが、他のキャラクターも、ただ途中の一戦で終わらせるのは惜しいので。
いずれにしても、しばらく間は空くものとご了承ください。
最後に。ご視聴いただきまして、心からの感謝を。

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最上静香
もし、昔の自分に会うことができて…。
最上静香
そのとき、『頂点に立つ気分はどう?』と聞かれたら、私はこう答えるつもり。
最上静香
…まるで、地獄のようだって。
最上静香
自分の持つ全ての力を絞りつくして、秘めたものも全て引き出したとする。
最上静香
でも、その程度のことは、ここに立つ人であれば、当たり前のこと。
最上静香
それでもなお、力及ばずに苦汁をなめる世界。
最上静香
ただ一つ、何かが欠けた瞬間に負けが決まる。そんな無情の世界。
最上静香
そして、今。
最上静香
顎からしたたる汗が、床に落ちる前に霧となって消える。そんな熱気の中に、私はいた。
四条貴音
「…さてさて、奇妙な巡り合わせとなりました。」
最上静香
「そうですか?私は、ずっと待ち望んでいましたよ。」
最上静香
この灼熱地獄の中でも、凛として立つその姿に、私は正面から向かい合う。
最上静香
「リベンジは考えていませんでしたが、こうやって目の前に立つなら話は別です。」
最上静香
「貴音さん。私は、今こそあなたに勝ってみせます!」
最上静香
私の宣言にも、貴音さんは涼しげな顔を崩さなかった。
四条貴音
「それは困りましたね。わたくしには、桃子との約束があるのです。」
最上静香
まるで私なんて眼中にないような台詞に一瞬むっとなるけど、すぐに気を取り直した。
最上静香
そのこだわり、心の揺れだって、私の有利に働くようにすればいい…!
最上静香
「桃子が勝ち上がってくると、信じているんですか?あの組み合わせで?」
最上静香
このトーナメントに、簡単な相手なんてどこにもいない。それは、桃子のいるブロックも同じこと。
四条貴音
「そうですね。わたくしとの約束は、桃子にとって大きな力…。」
四条貴音
「しかし、ここではそれさえも、勝負の天秤に乗せる一握の砂に過ぎません。」
四条貴音
「桃子が敗れ去るということも、わたくしは覚悟していますよ。」
最上静香
私の揺さぶりは、貴音さんの中にある確固たるものに受け流されたようだった。
四条貴音
「…ですが、その時は、わたくしが桃子の仇を討つことになるでしょう。」
最上静香
…なんて人。この状況で、それを言いきれるなんて。でも…。
最上静香
「他を見ている余裕があるんですね。私を甘く見ると、目の前に断崖が立ち塞がりますよ?」
最上静香
貴音さんの教え。それは本人にも跳ね返って、その油断がここでは命取りになる。
最上静香
しかし、私の言葉に答えた貴音さんの声は…そんな思いを打ち消す凄みがあった。
四条貴音
「甘く見るなど。そのような考えは、毛頭ありませんよ。」
最上静香
私をじっと見つめた、と思った瞬間。貴音さんの体が、とても大きく見えて。
四条貴音
「あなたをずっと見ていました。その成長も、苦悩も。」
四条貴音
「そして、あの決勝の舞台で見せた、さらなる開花も。」
最上静香
周囲を凍らせてしまうような笑みで、貴音さんはくくっと喉を鳴らす。
四条貴音
「どうして、油断などいたしましょうか。私の全身全霊を以て、迎え撃たせていただきます。」
四条貴音
「あなたがさらなる力への門を開くのであれば、わたくしも同じだけ開きましょう。」
四条貴音
「十でも、百でも、幾らでも。」
四条貴音
「そして、最後はただ無情に、力の差で磨り潰すといたしましょうか。」
最上静香
私にとって絶望的なことを、当たり前のようにさらりと言って…!
最上静香
「勝つのは、私です!」
最上静香
負けられない理由は、こっちにだってある。私は自分を奮い立たせ、目の前の銀髪鬼を見据えた。
最上静香
私の全てで、この人に、打ち勝って見せる!
四条貴音
「さあ、覚悟はよろしいですか?」
最上静香
高らかに、貴音さんは戦いの始まりを告げる。
四条貴音
「わたくしが、蹴散らしてさしあげます!」
最上静香
…ねえ、昔の私。ここは、あなたが憧れていた、華やかな場所とは、ほど遠いけど。
最上静香
もし私がここから転げ落ちても、またこの場所を目指して、何度だって上り続けるわ。
最上静香
ここでしか見えない景色があるの。ここでしか味わえない喜びがあるの。
最上静香
だから、ね。何度でも。
最上静香
それが、私の再起(リライズ)。 (終)

(台詞数: 50)