四条貴音
『なぁ、ほんとにいつものとこでいいのか?』
四条貴音
「えぇ」
四条貴音
『今日は持ってきてるからさ、少しは無理できる』
四条貴音
「いいのです、あそこで」
四条貴音
貴音は腹が減っている時は歩幅が大きくなる。離れすぎないようについていく。
四条貴音
そのうち見慣れた暖簾が近づいてきた。
四条貴音
「ますたぁ、いつもの2つ」
四条貴音
『馬鹿言え、あんなの食えるか』
四条貴音
席について注文を済ませる。貴音は壺の漬物に手を伸ばし始める。
四条貴音
『なんでここなんだ?』
四条貴音
「近いので」
四条貴音
『だってさ、マスター』
四条貴音
店長は声を上げて笑っていた。ほどなくして料理も揃う。
四条貴音
「いただきます」
四条貴音
ふと先の仕事で撮ったグラビアを取り出す。
四条貴音
面妖でミステリアスな雰囲気の美人の写真。
四条貴音
俺にはこの写真の美人と、目の前で髪をかきあげて麺を啜っている人間が
四条貴音
同一人物だとはどうにも思えないのだった。
四条貴音
ようやく人心地ついたのか俺の視線に気づく。
四条貴音
「どうかしましたか?」
四条貴音
店主に写真を見せる。また声を上げて笑い出した。
四条貴音
「なんですか?」
四条貴音
『なんでもない、麺伸びるぞ』
四条貴音
「はぁ」
四条貴音
面妖だ、と食事を再開する。既に二度目の替え玉をに差し掛かろうとしていた。
四条貴音
『貴音さあ、何歳になったんだっけ』
四条貴音
「二十歳です」
四条貴音
『二十歳かあ』
四条貴音
この質問をするのも三度目だった。ここに初めて来たのが昨日のことのようだ。
四条貴音
元々大人びた性格ではあったが、もう本当に大人なのだ。
四条貴音
.....二十歳、そうか二十歳か。
四条貴音
「あなた様」
四条貴音
いつの間にか注文していたらしい。ビールジョッキを小さく掲げていた。
四条貴音
「乾杯」
四条貴音
苦笑混じりに応じる。
四条貴音
『乾杯』
四条貴音
これからは美人と酒が飲める。
(台詞数: 37)