一夜の妖は照れ隠す
BGM
月のほとりで
脚本家
親衛隊
投稿日時
2017-01-01 04:07:19

脚本家コメント
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

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四条貴音
賑賑しい夜。気が付けば時は年始。真、月日が経つのは早いものですね。
中谷育
あっ。
四条貴音
おや。
中谷育
こんばんは。あけましておめでとうございますっ!
四条貴音
ご丁寧にありがとうございます。あけましておめでとうございます。
中谷育
あのね、人間らしくふるまうには形から、なんだって。
中谷育
どう? 上手にできてるかな?
四条貴音
ええ、それはもう。どなたが見ても可愛らしい童姿ですよ。
中谷育
むぅ。
四条貴音
どうかされたのですか?
中谷育
ふくざつ。わたし、子供じゃないもん。
四条貴音
しかし、その姿を気に入っているのでしょう?
中谷育
うん、何かと便利だからね。それに……
四条貴音
それに?
中谷育
……なんでもない。そういえば、お姉さんって、いつもここにいるよね。
四条貴音
使命を預かる身ですので、この場から離れる訳にはいかないのです。
中谷育
ふぅん。じゃあ初詣にも行けないんだ。
四条貴音
お参りはこちらで済ませますので。
中谷育
ごりやく……たっぷりありそうだね。
四条貴音
それはもう、由緒正しき社ですから。
四条貴音
ですが、何故か人間達は挙って近付こうとしないのです。
四条貴音
やはり人間という生き物は、同族が集う場所に惹かれるものなのでしょうか。
中谷育
うん、それ以前の問題だよね。
四条貴音
はて?
中谷育
まず、おどろおどろしい。
四条貴音
……。
中谷育
入り口のお狐さまも片方だけ居ないし。
四条貴音
……。
四条貴音
あの、よろしければ……。
中谷育
やだ。
四条貴音
ほんのお気持ち程度ですが報酬も出しますので……。
中谷育
やだ。
四条貴音
どうか三が日の間だけでも……。
中谷育
やだ。
四条貴音
その可愛さを狛狐として使わず、いつ使うというのですか……!
中谷育
やっぱり台座に座らせるつもりだったんだ! しかも三日間も!
四条貴音
……薄々、感じてはいたのです。人間から見れば、我が社は廃墟同然ではないのか、と。
四条貴音
その度に「趣があると考えればそれで良し」と自らに言い聞かせて参りました……。
四条貴音
そうですか……。やはり、あの奇異な視線は気味悪がられていた故なのですね……。
中谷育
……。
中谷育
でも、わたしはここが好きだよ。お家に帰ってきたみたいで落ち着くもん。
中谷育
わたしもお姉さんと同じだから、かな。昔の事はあんまり覚えてないけど。
四条貴音
……お気遣い、ありがとうございます。
四条貴音
では今回は、今年の抱負が見えた事を喜ぶとしましょう。
中谷育
良かった。じゃあ、そろそろ行くね。
中谷育
桃子ちゃ……じゃなくて、約束の時間に遅れちゃうから。
四条貴音
桃子……。成る程。それが童姿を好む理由でしたか。
中谷育
ち、ちがうもん!
四条貴音
照れ隠しは大人気ないですよ。
中谷育
ちがうもん!

(台詞数: 50)