高山紗代子
濃緑(こみどり)が、夜のとばりの中で、やけに鮮やかに目に映えた
高山紗代子
ひらり、ふわりと舞い踊る、スカートの裾。
高山紗代子
秘められたひかがみ、あしうらは白く艶めいて、その罪深さが目を刺すようで。
高山紗代子
月光が落ちる川面を舞台に、プリマのようにくるり、くるりと。
高山紗代子
爪先で蹴散らかされた滴が、黄金色をまとって、さやさやと風に揺れていた。
高山紗代子
嗚呼。
高山紗代子
月が冷たいと、誰が決めた?
高山紗代子
目で見て、電波を当てて、少しばかり表面を撫でてみて。
高山紗代子
横着にも、人はそれだけで、さもあらんと決めつけている。
高山紗代子
その奥、皮一枚の下には、計り知れない熱が滾っているかもしれないのに。
高山紗代子
月が眩しいのでと、靴を捨て足を濡らした、この女(ひと)は。
高山紗代子
いつしか、慎ましやかに身を整えて、目の前に佇んでいる。
高山紗代子
ただ、色づいた頬と、含羞の笑みだけが、先程の幻想の残影だった。
(台詞数: 13)