四条貴音
辺り一面に広がる銀世界
四条貴音
雪が視界を純白に埋め尽くし
四条貴音
まるで絵画のような冬景色
四条貴音
この美しい情景を、あなた様と二人きりで眺めるこの時間
四条貴音
なんと幸せを感じる一時でしょうか
四条貴音
嗚呼、出来ることならこの時間をずっと…
四条貴音
そう思ってしまうのは贅沢なことなのでしょうね
四条貴音
しかし、1年に1度の季節にしかないものなのですから…
四条貴音
こうして年甲斐もなく心踊るのは仕方のないことだと思いませんか?
四条貴音
…なんて、このようなことをあなた様に言えば笑われてしまうかもしれませんね
四条貴音
……っ!
四条貴音
「あなた様、少々お待ちいただけますか?」
四条貴音
ーーーーー
四条貴音
「出来ました」
四条貴音
「ふふ、いかがでしょう?雪と笹で、雪うさぎをこしらえてみました」
四条貴音
「我ながら良い出来だと思います。今にも跳ねていきそうですよ?」
四条貴音
「ほら、あなた様の手の上に…」
四条貴音
「…ぴょん」
四条貴音
「きゃっ!?」
四条貴音
「そ、そのように強く手を握られては…!」
四条貴音
「いえ、決して嫌なわけではなく、むしろ…」
四条貴音
「え?」
四条貴音
「…そう、ですね」
四条貴音
「とても暖かいです」
四条貴音
「手だけではなく心も…」
四条貴音
…そう、そうでした
四条貴音
あなた様は、いつもこのように私の心を暖めてくれる…
四条貴音
殿方を常に支えていくのが淑女の嗜みだと思っていたのですが…
四条貴音
こうして私はいつも想われ、守られているのですね
四条貴音
この状況にいつまでも流されてはいけないと思いつつも…
四条貴音
この心地よさに、つい甘えてしまうのです
四条貴音
せめて、せめて何かあなた様に返せるものはと考えますが
四条貴音
それをあなた様に伝えたとしても、断られてしまうのでしょうね
四条貴音
私が傷つかないように、やんわりと
四条貴音
真、いけずな方です
四条貴音
ーーーーー
四条貴音
「あなた様、少々寒くなってきましたね?」
四条貴音
「あ…」
四条貴音
「あなた様…」
四条貴音
「ふふ、あの言葉だけで通じてしまうとは…」
四条貴音
「二人の心が繋がっている、ということでしょうか?」
四条貴音
いつの間にか離れていた、少し寂しく感じていた私の手に再び繋がれた大きな手
四条貴音
「え?いつもとは違う乙女のような言葉ですか?」
四条貴音
「…とっぷしぃくれっとです」
四条貴音
狐につままれたような顔をするあなた様
四条貴音
そして、困ったように笑うあなた様
四条貴音
そんなあなた様を私は…
四条貴音
………
四条貴音
どうか、この想いを末長くあなた様と共に…
四条貴音
私は、そう願います
(台詞数: 50)