北沢志保
渓谷の彼方に銀色の機体が見えた。静香少尉のF80シューティングスターだろう…
北沢志保
どうしてこんな事をしているのだろう?昨夜の酒場での事を思い出した……酒場では静香少尉が…
北沢志保
未来や他の仲間に囲まれて、あの日の話をしていた…初の単独飛行…私を差し置いての…過去の汚点
北沢志保
もちろん、静香が卑怯な手を使って私から名誉ある機会を奪ったのではない。あの前の晩…
北沢志保
可奈が私のコーラに巫山戯てバーボンをたんまり注ぎこんだ、私は気付かずそれを飲んでしまった…
北沢志保
私はアルコールに弱く、影響が長く残る体質だった。おかげで翌日の訓練は散々だったのだ。
北沢志保
可奈は泣きながら謝ってくれたが…ミナセ大尉が静香少尉をコクピットに残し機体を離れた時の…
北沢志保
乱れた感情を思い出すと抑えきれなかった…私は酒場で静香少尉に八つ当たりをした…今さらに…
北沢志保
ねえ、静香少尉…本当のところ、どっちが上なのか?決着をつけましょうよ!
最上静香
し、志保少尉…
北沢志保
決闘を申し込むわ!明日の訓練のランデブーの前にケリをつけましょう!
北沢志保
渓谷の上空で待っているわ!私は西から行く!怖いのなら逃げてもいいわよ……………………………
北沢志保
東から静香少尉の機体が近づく…私が西からと言ったから?なんてお人好しなんだろう…
北沢志保
そもそも、静香は私の挑発に乗る義理はなかった…静香に何一つ落ち度はないのだから…
最上静香
志保!来たわよ…
最上静香
ねえ、志保…バカな事は止めない?
北沢志保
無視した。…静香このまますれ違ってから旋回して後ろをとった方が勝ちよ!じゃあいくわよ!
北沢志保
私はスロットルを押して増速した、静香も加速しているだろう…そして…
最上静香
…!
北沢志保
無様な交戦だった、おおよそ、すれ違うなどと言うのもおこがましい距離で交差すると…
北沢志保
お互いにあさっての方向へ旋回してしまい、たちまち見失ってしまった。静香も同様なのだろう…
北沢志保
相手を探してもたもたと旋回していると、突然、無線機に聴き覚えのある声が響いた。
四条貴音
そこの道草坊主共!聞こえるか?渓谷の北に居る、私が見えるか?見えるなら私に続け!
北沢志保
飛行隊長…タカネ少佐…
四条貴音
二人とも名前を聞いておこうか…
北沢志保
志保少尉であります…
最上静香
静香少尉です。
四条貴音
志保に静香…なるほど…
四条貴音
活きが良いとおもったらイオリの所のか!
四条貴音
二人とも私に付いて来なさい!
北沢志保
少佐は直ぐさまスプリットS入った、私も慌ててそれに続いた…静香もそうしているだろう…
北沢志保
その後、少佐はアクロバットショーの如く三次元のあらゆる機動を行った…やがて…
最上静香
少佐殿!
四条貴音
どうした?
最上静香
燃料に余裕がありません!
四条貴音
よろしい!速やかに帰投して、シャワーを浴びたら私のオフィスへ出頭しなさい!A級正装で…
北沢志保
ラジャー!
北沢志保
こっぴどい叱責を受けるのかと思いきや、少佐は上機嫌だった。
北沢志保
どうやら自分の部隊にアグレッシブなパイロットが居る事が嬉しいらしい。
北沢志保
少佐は殆ど理由は聞かず、半ば強引に私達に「仲直り」の握手をさせた…
北沢志保
静香少尉はホッとしている様子だった。
北沢志保
帰投後の燃料の残りが静香少尉より私の方が僅かに多かったのが慰めだった…。
(台詞数: 42)