四条貴音
……すっかり日も落ちましたね。夢のような一日も、もう終わりという事でしょうか。
四条貴音
ふふっ、このような二人きりの旅行など……叶うとは思いませんでした。都合をつけていただき、
四条貴音
真、感謝いたします。プロデューサー……
四条貴音
真、感謝いたします。プロデューサー…………
四条貴音
真、感謝いたします。プロデューサー………………
四条貴音
真、感謝いたします。プロデューサー………………あなた様、笑いすぎではありませんか?
四条貴音
あなた様と夫婦の契りを結び、一年余り経ちますが……今は私の夫であるあなた様を
四条貴音
プロデューサーと呼んでしまった事は、恥ずべき事やもしれません。ですが、あなた様は今も
四条貴音
765プロでプロデューサーを続けているではありませんか。ならば、私がプロデューサーと
四条貴音
呼んでも差し支えは無いので、そのように……はい、わかって頂ければ良いのです。
四条貴音
しかし……ふふっ、その765プロは今やこの国を代表するアイドル事務所となりましたね。
四条貴音
私が引退する前は、初々しい面持ちだった皆も、立派なアイドルとして活躍しています。
四条貴音
そんな皆が、多忙の身であるあなた様に休暇を薦めたおかげで、このように新婚旅行に行く事が
四条貴音
出来たのですから。ならば皆にも、感謝しないといけません……美希や翼などには
四条貴音
ずるい、と未だに言われそうですが……はい?どうかなさいましたか?あなた様。
四条貴音
月が見えない?……おや、今宵は満月と聞いていましたが、残念ながら雲が覆ってしまっていますね
四条貴音
一緒に月を見たかった……ですか?ふふっ、あなた様も月を見る習慣がついてきたのでしょうか。
四条貴音
……ねぇ、あなた様?満月と私、そしてあなた様とは、浅からぬ縁がある。そう思いませんか?
四条貴音
……だってそうじゃありませんか。あなた様が私に初めて声をかけた時も、満月の夜でした。
四条貴音
私が初めてアイドルになった時も、あなた様と共に、栄光のすてーじに立った時も……
四条貴音
あなた様が、私に夫婦の契りを申し出た時も……満月の夜でした。
四条貴音
あとは……あぁ、あの時も。ふふっ、あなた様が私の故郷に挨拶に来た時も、満月でしたか。
四条貴音
あの時のあなた様の、緊張した顔といったら……ふふっ、思い出す度に笑顔になりますね。
四条貴音
私の親族、じいやを初めとする使用人、故郷の人々を目の前にしてあなた様の言った一言が……
四条貴音
「てっきり、月に連れていかれるだと思っていました」
四条貴音
ふふふっ……いえ、あの場は和みましたよ。ですが私は、事前にあなた様の事をしっかりと
四条貴音
皆に話していましたし、ご心配なくと言いましたのに、あなた様はあんな顔をするので……
四条貴音
ふふっ、ふふふっ……
四条貴音
ふふっ、ふふふっ…………笑いすぎ、ですか?おあいこです、あなた様。
四条貴音
……と、そんな話をしていたら、雲が晴れて満月が姿を表しましたね。
四条貴音
なんと美しい……月明かりもふんわりと、私達を包むように明るいですね。
四条貴音
こうして見ると、私とあなた様の歩みは、すべてこの満月が照らし出してくれたように思います。
四条貴音
満月が私とあなた様のきゅーぴっど、といった所でしょうか。ふふっ。
四条貴音
……きゃっ!あ、あなた様……こんな所で、急な抱擁などされたら、どなたかに見られ……
四条貴音
……え?周りに人はいないから……?満月しか見てないなら、見せつけてやりたい……?
四条貴音
な、なんと面妖な……
四条貴音
な、なんと面妖な…………
四条貴音
な、なんと面妖な…………ならば、こういうのは如何でしょう。
四条貴音
……
四条貴音
……チュッ
四条貴音
……何を、目を丸くしているのですか?満月は、私達のきゅーぴっどなのですよ?
四条貴音
でしたら、口づけくらい、見て頂かないと……ねぇ?あなた様。
(台詞数: 42)