四条貴音
今宵あなた様をこの場に呼び出したのには理由があります
四条貴音
私のする昔話に少しばかり付き合っては頂けないでしょうか?
四条貴音
かつて白い百合の様に美しい娘が最愛の人を失い化け物となってから辿り着いた場所
四条貴音
それこそがここなのです
四条貴音
彼女は最愛の人の言葉を信じて待ち続けました
四条貴音
何十年も、何百年も、何千年もずっと独りで・・・
四条貴音
たった一人の男のことを想い続けていました
四条貴音
ですが、時間というものは残酷なものです
四条貴音
次第に彼女の理性と人間性を蝕んで奪っていきました
四条貴音
自暴自棄になり、より化け物らしくなった彼女は遂には魔術に手を出し始めました
四条貴音
自らの手で最愛の人を蘇らせようとして・・・
四条貴音
化け物はこうして魔物へと変わっていったのです
四条貴音
それからさらに時が経ち、いつの間にか魔物から魔女と呼ばれるようになりました
四条貴音
それがはじまりの魔女です
四条貴音
しかし、どんなにすごい魔術を会得しようともかつての想い人を蘇らせる事は叶いませんでした
四条貴音
やがて自らの力の衰えを感じ始めた彼女はその業を継承しようと考えました
四条貴音
相応しい器に魔力と心を引き継がせることでかつての男を待とうと考えたのでしょう
四条貴音
だからこそ、魔を継ぐ者に彼女は自らがした思いと似た思いをさせることで・・・
四条貴音
その灯を継ぐ器を完成させたのでしょう
四条貴音
かつての男を待つに相応しい魔女を生み出したのでしょう
四条貴音
それが魔女の性となったことは言うまでもありません
四条貴音
そして私はその魔女を祖に持つ魔女の弟子なのです
四条貴音
安心してください
四条貴音
私があなた様の記憶からいなくなることは断じてありません
四条貴音
私の師は・・・
四条貴音
風花は・・・
四条貴音
その性を負わせてはくれませんでしたから・・・
四条貴音
ただ、私にも意志を継ぐことはできます
四条貴音
もしこの物語をはっぴーえんどで終わらせることができた暁には・・・
四条貴音
人々に語り聞かせるつもりです
四条貴音
はい・・・?
四条貴音
まだ完結していないのにどうしてあなた様に話をしたのか、ですか・・・
四条貴音
それはとっぷしーくれっとです
四条貴音
ふふっ・・・♪
四条貴音
寧ろあなた様ならもう気付いているのではないですか?
四条貴音
もう思い出してきているのではないですか・・・?
四条貴音
そうですか・・・
四条貴音
ここにあなた様を連れてきたのにはもう一つ理由があるのです
四条貴音
年に一度、この時期になると此処には季節外れの百合の花が咲くのです
四条貴音
黄檗色の百合
四条貴音
あなた様は黄檗色の百合の花言葉を知っていますか?
四条貴音
それははじまりの魔女が魔術で残したもう一つの遺産でもあります
四条貴音
最期に彼女が残した・・・
四条貴音
彼女の純粋な想い・・・
四条貴音
それは・・・
四条貴音
『またあなたと結ばれますように』
(台詞数: 46)