高山紗代子
『復讐は何も生み出さない』『復讐しても時は戻らない』『復讐は自身をも傷つける』……
高山紗代子
復讐は無益と言う正論を説いた言葉……私もそれが正しいと思っていた……そう、昨日までは……
高山紗代子
だが、真実は違うと私は知った。胸に灯った復讐の黒い炎はそんな軽い言葉では吹き消せない……
高山紗代子
何も生み出さない?それがどうした、時は戻らない?そんな事言われなくても知っている…
高山紗代子
自身をも傷つける?上等だ、この胸を焦がす黒い炎を引火させられるなら燃え尽きて構わない
高山紗代子
四条貴音……あなたには私とあの子が受けた苦しみ、倍にして返してあげましょう……
四条貴音
ただいま帰りました、それでは早速仕事終わりの一杯を……
高山紗代子
(ズルズル)……ああ、おかえりなさい貴音さん、仕事は上手くいきましたか?
四条貴音
高山紗代子……そ、そのらぁめんは……
高山紗代子
ああ今日はお昼を食べる時間が無かったから事務所にあった物をお昼にしてるんです……
四条貴音
そ、それはわたくしが取り寄せたご当地らぁめんで……帰りの楽しみにしていたのに……
高山紗代子
そ、そうだったんですか!すいません、気がつかなくて……
高山紗代子
(当然知っててやった事だ……これを楽しみにしていた事は話を聞けば良くわかる……)
高山紗代子
(四条貴音、私が楽しみにしていたたい焼きを全て食べた女……同じ苦しみを味わうが良い!)
四条貴音
……食べられてしまった物は仕方ありません、今日の間食はこの肉まんにいたしましょう……
高山紗代子
(なっ……まだ取り置きのおやつがあったとは……貴音さんの食への執念を舐めていた!)
高山紗代子
(これは、計画の練り直しが必要ね……取り置きのおやつを全て調べ上げて食べ尽くす……)
高山紗代子
……取り置きのおやつだけで6〜7食分、これを彼女が出かけてる2時間で食べ尽くすのか……
高山紗代子
……怯むな紗代子!全ては復讐のためなのよ!たい焼きの仇を取るために……
四条貴音
(そして決行の日)高山紗代子……最近妙に食事の量が増えてますね……
高山紗代子
もぐもぐ……ええ、恥ずかしながら食べても食べてもお腹が空いちゃって……
高山紗代子
(嘘だ、これは最近過食気味だと言う伏線張りと決行日までに取り置きを少しでも減らす策…)
四条貴音
身の丈に合わない過食は身体に毒です、私は仕事に向かいますが程々にしておきなさい……
高山紗代子
(貴音さんには言われたくないなぁ……)ええ、気を付けます……
高山紗代子
……さて、彼女が帰ってくるまでの二時間で取り置きを全て食い尽くす!
高山紗代子
まずはラーメン三袋……いきなり重いけどまあなんとか……
高山紗代子
うぅ、正直もうお腹一杯だけどまだまだ先は長いのよね……次は月餅とどら焼きと最中……
高山紗代子
く、苦しい……でも次が最後……彼女が今日の為に取り寄せた点心セット……
高山紗代子
お、多い……3人分はありそうだけどこれを残したら意味が無い……
高山紗代子
……うん、わざわざ取り寄せるだけあって本当美味しい……あと五分で……
四条貴音
ただいま帰りました、それでは点心セットを……
高山紗代子
もぐもぐ……ふぅーお腹いっぱい!
四条貴音
そ、その点心セットは……
高山紗代子
すいません、どうにもお腹が空いちゃって……
四条貴音
まあ、他にも取り置きは……ぜ、全部食べられている!?
高山紗代子
そ、それも私です……恥ずかしながら我慢できなくて……
四条貴音
そ、そんな……今日のおやつが……
高山紗代子
(やった!遂に復讐を遂げたわ……私が受けた苦しみを倍にして味わいなさい!)
四条貴音
な、何か食べ物は……
高山紗代子
(ふふふ、探しても無駄……今事務所に存在するのは生の食材だけよ!)
高山紗代子
(仇はとったよ、私のたいやき……)
佐竹美奈子
貴音さん、帰って来るなりおろおろしてどうしたんですか?
四条貴音
いえ、高山紗代子が取り置きのおやつを全て食べてしまったようで……
佐竹美奈子
あっ、それじゃあ私がおやつ作ってあげるね!生の食材ならいっぱい残ってるから……
高山紗代子
あっ、美奈子さんの存在を忘れてた……
佐竹美奈子
紗代子ちゃんも食べるよね!最近いっぱい食べてるみたいだし……
高山紗代子
い、いえ、もう何も入らないくらいお腹いっぱいなので……
佐竹美奈子
ほらほら遠慮せずに!はい!麻婆豆腐と青椒肉絲だよ!
高山紗代子
人を呪わば穴二つとは言うけど……これも復讐なんか企んだ私への天罰なのかな……
高山紗代子
『復讐は自身をも傷つける』、その意味を私は今とても実感しています……うぷっ
(台詞数: 50)