徳川まつり
……貴音姫も朋花ちゃんも、ひなたちゃんの誕生日のお祝いに来たのです?
四条貴音
当然です。私を慕っているひなたの記念日なのですから。心より祝福せねば。
天空橋朋花
そうですね〜。縁あって出会ったのですから、私がひなたちゃんを導いてあげねば〜。
徳川まつり
何を言っているのです?ひなたちゃんは、まつり姫が手を取って素敵なレディにしてあげるのです。
徳川まつり
ということで、申し訳ないのです。姫がお祝いしている間、控えていてほしいのです。
天空橋朋花
うふっ。いかにまつりさんが目上とはいえ,許していいワガママとそうでないものが有りますよ〜。
四条貴音
その点については同意します。……ひなたに祝福を与えるのは私こそが相応、という違いはあれ。
天空橋朋花
あらあら、こちらも困ったお姉様ですね〜。貴音さんは良識に溢れていると勘違いしてました〜。
天空橋朋花
ならば、私がひなたちゃんに何を齎すかを教えて差し上げます〜。それなら手を引きやすいかと。
天空橋朋花
そも、ひなたちゃんは性根が優しい娘。ですが、これからの人生、優しさだけでは渡れません〜。
天空橋朋花
私はひなたちゃんを導き、誰よりも高い場所に届かせてあげます〜。アイドル界でもそれ以外でも。
天空橋朋花
そう、ひなたちゃんを『王座』につけること。優しいひなたちゃんの元、皆が幸せになりますよ〜。
四条貴音
笑止。それは貴女自身が『王の上に君臨する者』になりたいという表れでしょう、天空橋朋花?
徳川まつり
いつひなたちゃんが、誰よりも高みに行きたいと言ったのです?朋花ちゃんはズレてるのです。
天空橋朋花
……よろしいですわ。参考までに、お二人がひなたに捧げるものが何か、伺いましょう〜。
四条貴音
まだ幼きひなたを導く。それは確かに姉たる私達の為すべき事。それは間違えないことです。
四条貴音
さりながら、ひなたの生きる道は、ひなた自身で選び取るもの。それを強制するとは歪んでいる。
四条貴音
私はひたすら、ひなたの傍らで見守る。知恵を貸し、手を差し伸べ、苦境や敵を乗り越えさせる。
四条貴音
……私がひなたに捧げるものは、いかなる時も『勝利』すること。その果てには至上の喜びが。
徳川まつり
貴音姫は、ひなたちゃんを競争に追い込み続けたいのです?休息も無く、結果だけを求めさせて?
天空橋朋花
やれやれ。配慮のつもりが、貴女こそひなたちゃんを「駒」としてゲームに使ってますわ〜。
四条貴音
……まつり姫。私達はまだ、貴女の贈り物を聞いていません。私達二人より佳きものが有りますか?
徳川まつり
もちろんなのですー!まつりがひなたちゃんに贈るものは……
徳川まつり
もちろんなのですー!まつりがひなたちゃんに贈るものは……めくるめく美しい、恋の世界です!
天空橋朋花
……具体的には、何をするつもりなのですか〜?
徳川まつり
まつりが蒐集した漫画に描かれた、無限の恋のお話。それをひなたちゃんに教えてあげるのです!
四条貴音
……ふーっ。述べるのはそれだけですか、徳川まつり?
徳川まつり
なんで溜息が出るのです?二人の与えるものより、まつりの方がずっと楽しく美しいのです?
天空橋朋花
私達はひなたの将来を思い、精一杯のものを授けようとするのに。貴女は御伽噺だけ、ですか〜。
徳川まつり
……
四条貴音
まあ、貴女がひなたに伴侶でも見出してあげるなら,それは私達に比肩する贈り物でしょうが……
徳川まつり
やってみせます!そこまで言われて、まつり、引く訳にはいかないのです!
徳川まつり
ひなたちゃんを、世界で一番素敵な男性であるプロデューサーさんと結ばせてみせるのです!
四条貴音
え……いや、プロデューサーは皆のものですし、それは私も些か困ります……
天空橋朋花
……そ、そうですね。私のプロデューサーを、そのように誰かに渡すのは、さすがに……
徳川まつり
……困りましたのです。まつりも自分で言ったけど、そんなことしたくないのです……
四条貴音
……
天空橋朋花
……
徳川まつり
……
四条貴音
……今年は、皆「普通の」贈り物をするだけにしましょう。張り合うことは止めて。
徳川まつり
……そ、それがいいのです。自分の誕生日が不和の原因なんて、ひなたちゃんが傷つくのです!
天空橋朋花
……林檎たるひなたではなく、パリスを巡って争うとは〜。私達は女神ではなく、人の子ですね〜。
(台詞数: 42)