四条貴音
冷たい雨に打たれてなお
四条貴音
熱くなってゆく己に気付きながら
四条貴音
言葉を止められない
四条貴音
「貴方は、自身の事に無頓着が過ぎます」
四条貴音
お決まりの、困ったような苦笑いを浮かべる貴方に
四条貴音
「その無頓着が、周りにどれだけ要らぬ混乱を招いていることか」
四条貴音
吐く声が、震える。
四条貴音
「美希が貴方に抱き付くのを、咎められずにへらへらと逃げ回る、貴方の曖昧な態度に」
四条貴音
傘を握る手が、震える。
四条貴音
「心痛める子も居りますのに」
四条貴音
心が、慄いて、震える。
四条貴音
「貴方はそうして、笑っているばかりで…………」
四条貴音
己の心根の卑しさに、怖気がする。
四条貴音
「………何故、貴方の言葉を伝えては下さらないのですか」
四条貴音
そして
四条貴音
「………何故、貴方の、心を、教えては下さらないのですか……………。」
四条貴音
貴方は
四条貴音
寂しそうに、笑う。
四条貴音
雨に打たれるままの私を気遣う貴方の言葉が
四条貴音
遠くに、聞こえる。
四条貴音
お別れの言葉、また、あした。
四条貴音
激しさを増す雨音は
四条貴音
私の声を地面に叩きつけ
四条貴音
私はひとり、
四条貴音
立ち尽くす。
(台詞数: 25)