『カロリーの呼び声』
BGM
SUPER SIZE LOVE!!
脚本家
yuu
投稿日時
2015-01-08 21:16:47

脚本家コメント
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!
(佐竹飯店にて死せる美奈子夢見るままに待ちいたり)

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矢吹可奈
ーーー月21日 私が廃屋に逃げ込んで一ヶ月、そろそろ奴らは諦めてくれただろうか……
矢吹可奈
家族や友達は突然失踪した私を心配しているだろう、私も出来る事なら会って話がしたい……
矢吹可奈
しかし、今は誰も信用出来ないのだ、誰が『あれ』の手先にすり替わっているのかわからないのだ
矢吹可奈
特に、他人が作った料理は絶対に信用出来ない、もしも『あれ』が調理した物だったとしたら……
矢吹可奈
落ち着くために話を整理しよう、もしも後にこれを読む人がいればあるいは助けになるかもしれない
矢吹可奈
始めは小さな事件だった、私を妹のように可愛がってくれていた四条貴音が失踪したのだ
矢吹可奈
彼女は良くふらりと姿を消しては突然戻って来ていたので私を含め周りは誰も気にしていなかった。
矢吹可奈
しかし、長くても二週間で戻ってきていたのに一月も連絡が無く、皆が心配しだした時だ……
四条貴音
『矢吹可奈、とてもとても美味しい料理店を見つけたので一緒に食べに行きましょう』
矢吹可奈
何の前触れも無く彼女は私の前に現れて料理店に誘って来たのだ
矢吹可奈
今まで何をしていたのか、家族や友人に合わなくて良いのかと聞いても料理店に行こうの一点張り…
矢吹可奈
仕方なくついて行くと、そこはとても料理店とは思えない山中の廃教会であった……
四条貴音
『ふふっ、隠れ家的なお店と言う物ですよ……』
矢吹可奈
彼女はそう言って手慣れた様子で地下への階段を手招きする、私は嫌な予感がしたが地下に降りた…
佐竹美奈子
『いらっしゃい!新しいお客さんだね!』
四条貴音
『はい、いつもの物を二人分お願いします。』
矢吹可奈
地下は祭壇のような場所であり、そこに急拵えの厨房を据え付けた余りにも不釣り合いな空間だった
矢吹可奈
しかし、その時の私はその場に漂う美味しそうな匂いに夢中で何の違和感も覚えていなかったのだ…
矢吹可奈
少し待つと、中華料理のような料理が出てくる、私は皿が置かれた瞬間に夢中で食べ始めた……
矢吹可奈
夢のような味であった、今まで食べたどの食べ物よりも美味しく、凄まじい多幸感に浸る事ができた
四条貴音
『店主、おかわりを!おかわりをお願い致します!』
佐竹美奈子
『はいはい、慌てなくても無限に食材はあるからね!』
矢吹可奈
貴音さんは私の数倍の勢いで食べ続け、最早貪り食うと言うしか無い状態であった……
四条貴音
『これです!この美味です……あまりに美味し過ぎて……呪文が解けてしまいます!』
矢吹可奈
次の瞬間私は目を疑った、隣の彼女が突然膨らみ、数十秒で肥満体のような肉塊に成り果てたのだ
四条貴音
『おや、驚かせてしまいましたね、これが今の私の本当の姿です』
四条貴音
『わたくしは偶然拾ったこの紙の通りの儀式を行い、究極の料理店をこの地に顕現させたのです』
四条貴音
『わたくし一人で楽しむのは勿体無いと思いまして、まずはあなたを誘う事にしました』
四条貴音
『しかし、この姿では歩く事もままならないので店主に体を縮める呪文を教えてもらったのです』
矢吹可奈
手足と銀の髪が生えた肉塊は貴音さんの声でそう言った。私は何の反応も出来ずただ話を聞いていた
佐竹美奈子
『貴音ちゃん、美味しそうに食べてるでしょ?可奈ちゃんにもいっぱい食べさせてあげるからね!』
矢吹可奈
そうして私は店主と呼ばれた少女を……それは最早少女では無かった。
矢吹可奈
それはねじくれた肉塊が連なり、それぞれに無数の手が生えた化け物だったのだ……
矢吹可奈
私は走って逃げた、一晩中走り続け、見つけたこの廃屋に飛び込んだのだ……
矢吹可奈
そしてすぐに自分の体を確認した……料理店に向かう前と比べて僅かだが確実に太っていたのだ!
矢吹可奈
『あれ』の料理を二皿食べただけの私でこうなのだ、貴音さんが肉塊になるのも無理は無い
矢吹可奈
彼女は自ら呼び出した『あれ』の料理に魅入られ、狂ってしまったのだろう……
矢吹可奈
『あれ』が人を太らせて何をしたいのかはわからない、わかりたくも無い……
矢吹可奈
ただ、次に私が『あれ』の料理を食べた時は私が肉塊に成り果てる時だと言うのはわかる……
矢吹可奈
だから今は生肉と雑草を食べている、調理してしまえば『あれ』の手がかかるかも知れないからだ
矢吹可奈
例え市販品だろうが信用は出来ない、あの貴音さんが『あれ』の眷属と成り果てる位なのだから……
矢吹可奈
……物音がする、野犬だろうか、そうすれば狩って飢えがしのげるのだが……
矢吹可奈
……匂いが!匂いがする!『あれ』の料理の匂いだ!私の居場所がバレたのか!?
矢吹可奈
大丈夫だ、ここならば見つかるはずは無い……見つかるはずは……ああ!窓に!窓に!
矢吹可奈
(手記はここで途切れている)
矢吹可奈
……と、言う小説を考えたんですけどどう思いますか?
佐竹美奈子
なんで私が宇宙的恐怖扱いなの!?

(台詞数: 47)