久遠の河、揺蕩う船の、その内で。
BGM
恋花
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2014-11-05 18:45:08

脚本家コメント
後の十三夜の、今宵。
心赴くままに筆を執り、もとい、指を走らせ、書くなり。

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四条貴音
……今宵は、一生に一度も眺められないかもしれない名月。後の十三夜。
四条貴音
たとい雲が掛かれども、久方の月は遍くこの世を照らすのです……
四条貴音
人の世とは、絶えること無く流れる河の如きもの。流れに抗うことは叶わず、戻ることも能わず。
四条貴音
そして人とは、微かに棹差すことのみ許された存在。上手く渡れたつもりでも、ただ流されるのみ。
四条貴音
……いえ、それすら正しからず。世人は、知らぬ内に大きな船に乗り、定めを他人に委ねるのみ。
四条貴音
人生の選択など、大きな船の甲板に立つか、船室に篭るかの違いほど。
四条貴音
大きな船でしばし流れ、旅が終われば船を降り、さしたる間も無くまた別の船へ。
四条貴音
……そうですね。輪廻転生とは、ただ次の船に乗り換えるだけのことやもしれません。
四条貴音
大きな船の舵を取る、或いは羅針盤を見る、さもなくば櫓のひとつを握る……
四条貴音
世人を積んだその船を、微かにも動かせる者は、世人にいかほど在るものか。
四条貴音
等しく照らす真如の月。全てを進める大いなる河。たといささやかな力といえど……
四条貴音
船上でそれを振るえるのは、一握の者のみ。はて、貴方様や私は、その掌に乗れるのか。
四条貴音
ふふっ、しかし、アイドルとは人の心の灯火となるもの。
四条貴音
灯火とその担い手ならば……月には及ばずとも、人の心の「夜」を照らすことが能うやも。
四条貴音
今宵乗りし、この大きな船。いつか降りるそのときまで、耀くことといたしましょう。
四条貴音
……
木下ひなた
あー、すっかり寒くなったべさ。今晩はラーメンさ食べようかね。
木下ひなた
お月様が綺麗だから、贅沢して卵もひとつ落とそうか。あったかくして寝ようね。
四条貴音
……
四条貴音
ふふっ、此度の船旅は、らぁめんが在るのが何よりの喜びですね。

(台詞数: 20)