七尾百合子
……というテイストの夢でした。
四条貴音
……はあ、なるほど。
最上静香
で、どう思いますか!
四条貴音
……どう、と言われましても。まあ、強いて言えば百合子らしいと言いますか。
七尾百合子
あ、ちなみに!正確では無いですよ!無理矢理思い出した感じですから!
四条貴音
あの……一つお訊きしたいのですが、それを私に言って一体何を……
七尾百合子
えーと……私、最近変なんです。
四条貴音
ええ、聞きました。
七尾百合子
そして、同じくらい変な夢を見るんです。
四条貴音
それも先ほど……
七尾百合子
両方、例の雨が降ったあとなんです!
四条貴音
確かに、あの日は奇っ怪な天気でしたが。
七尾百合子
……それを静香さんに言ったら……
最上静香
こういうことは、貴音さんなら万事解決してくれると思って!
四条貴音
……私を魔法使いか何かと勘違いしてませんか?
七尾百合子
え!魔法使いなんですか!?
最上静香
え!悩みと夢を言えばその因果関係をなんとかしてなんとかしてくれるんじゃ無いんですか!?
四条貴音
いえ、ですから……私は怪奇の類いでも便利ぐっずでもありませんよ。
四条貴音
しかし、友人の頼みを聞いて捨て置くのも、私のすることはありません。
四条貴音
ということで、一つずつ考えてみましょう。幸い、三人よればなんとやらと言います。
七尾百合子
……私、昔から本を読むのが好きでした。理由は忘れましたけど、昔からです。
七尾百合子
ですから、それだけ私は大人なはずです。たくさん知ってるはずです。
七尾百合子
でも、何も分からないんです。
七尾百合子
これって、何の意味も無かったってことですか?
最上静香
……うーん。
四条貴音
なるほど、百合子の心には言葉が溢れすぎてるようですね。
四条貴音
うまくいってない事があるとすれば、そこで文字と心に齟齬が出来てしまうということ……ですか。
七尾百合子
本で読んだ事と実際に経験することは違うってことですか?
四条貴音
いえいえ、百合子を否定する気はありません。あなたは言葉に愛されています。
四条貴音
文字に彩られ、それを唄い、生きる事が出来るのが七尾百合子という人間ならば。
四条貴音
あなたは今までのままで、ちゃんと美しいということですよ。
最上静香
うーん……。
七尾百合子
わかったような……分からないような。
四条貴音
……静香、先ほどから何か難しい顔をしていますね。
最上静香
あ、はい。……どう伝えるべきかと思って。
七尾百合子
え!もしかしてもう答えにたどり着いたんですか?あれだけ分からない分からない言ってたのに!
最上静香
いや……なんというか。ちょっと待って、良い言い方が思い付かなくて。
四条貴音
なるほど、誰もが百合子のようにそのままを伝えることが出来ないということですね。勿論私も。
七尾百合子
あ、いきなり仲間はずれ感が。
四条貴音
最初に申し上げた通り、百合子らしいという事です。ですが……
七尾百合子
……
四条貴音
ですが……友の為ならば、怪奇の類いとなることも必要かもしれませんね。
最上静香
……一見かっこいいですけど、つまりどう言うことですか?
四条貴音
百合子、幸い今日は満月です。月には心を沈める能があると言います。
七尾百合子
そうでしたっけ?
四条貴音
今日は、是非月を見てから眠る事をおすすめします。
七尾百合子
……むぅ。つまり貴音さんでも具体的な原因と解決方は思いつかないと言うことですか?
四条貴音
ええ、ですからゆっくり考えましょう。私たちはちゃんと真摯に、向かい合います。
最上静香
そう。多分、これは誰にでもある病気みたいなものかもしれないけれど……
最上静香
百合子の言葉で、考えれば良いから。
(台詞数: 50)