誕生日ドラマ(原案:O・ヘンリー)
BGM
Precious Grain
脚本家
イッパイアッテサ
投稿日時
2014-09-14 12:38:16

脚本家コメント
あえて、誕生日「記念」ドラマとは書きません。
まあ、まずネタありきの展開ですので。
O・ヘンリーの「よみがえった改心」をベースにしています。
アイディアは数か月前から頭の中にありましたが、今年の誕生日演出と絡められそうだったので、このタイミングで投稿しました。

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四条貴音
「……もし、店主どの。この辺りで、黒髪で涼やかな印象の少女が、饂飩を食しませんでしたか?」
四条貴音
「……お心当たりはございませんか。失礼いたしました。それでは。」
四条貴音
……最上静香。ろけ中に仕事から逃亡し、己の欲望に任せて饂飩屋に行くなど不届き千万!
四条貴音
必ず私が見つけ出し、律子嬢やこのみ嬢より厳しく灸を据えて差し上げます。
最上静香
……
最上静香
ついつい仕事を抜け出してしまったわ。
最上静香
でも、これはプロデューサーがいけないんです。せっかくうどんの聖地に来ていながら……
最上静香
たった2店に行くだけ。しかも食休みが必要だろうから、その間は普通の観光地ロケなんて。
最上静香
うどんを愛する私を理解していないんだから。目を盗んで『伝説の店』に来ちゃった。
最上静香
……でも、私も大人気なかったなあ。ここで食べたらプロデューサーのところに戻って謝らないと。
最上静香
……
最上静香
……それにしても、行列の進みが悪いわね。もうとっくに、私の番になりそうな時間なのに。
最上静香
……なにか、お店のほうが騒がしいわ。
最上静香
『た、大変だ!店長が、ギックリ腰になった!』『救急車だ、救急車を呼べ!』
最上静香
『……しかし困ったぞ。店長がいないと、うどんが打てない。』
最上静香
『それじゃあ、今日はこれで臨時休業なの?』『並んでた俺たちは、うどん食べられないのか!』
最上静香
『ザワザワ……』
最上静香
どうやら、店長が倒れて今日は店じまいになるみたいね。
最上静香
このままでは、店長が仕立てた「つゆ」や具がダメになっちゃう。お客さんも悲しい思いを……
最上静香
『お、お客様の中に、うどんが打てる方はいらっしゃりませんか!』
最上静香
従業員さんが、必死に呼びかけてるわ。……どうしよう。
最上静香
私のうどん打ちの腕を振るえば、お店もお客さんも救われる。
最上静香
でもここで名乗り出たら、アイドル・最上静香がお忍びで来てることが露見するかも……
最上静香
……
最上静香
…………。
最上静香
「あの、私、うどんが打てます。打たせてください!」
最上静香
私にはみんなを救える力が有る。うどんを愛するなら、うどん仲間を救うべきだ。単純なことだ。
最上静香
私はカバンから、愛用のうどん打ちセットを取り出し、厨房に入った。
最上静香
……
最上静香
並んでいたお客さんみんなに、うどんが行き渡ったみたいね。私も、そろそろ食べよう。
四条貴音
「見事な手際でしたね。おかげで皆、救われたようです。」
最上静香
「し、四条さん!いつの間にここに……」
四条貴音
「あなたが名乗り出る、少し前からでしょうか。」
最上静香
「ついにここまで来たんですね。プロデューサーの元に、戻りましょう。」
最上静香
「どう転んでも叱られる。もう大した変わりはなさそうですし……」
四条貴音
「?はて、何を言っているのですか?なにか人違いをしているのでは。」
四条貴音
「私があなたを知っているわけがないでしょう。ここにいたのは饂飩を愛する優しい少女で……
四条貴音
『最上静香』ではないですわ。」
四条貴音
「あなたのタクシーが待っていますよ。私は隣町のらぁめん屋を訪れますので、これにて。」
最上静香
「四条さん……」
最上静香
……
最上静香
というか、今日のロケは四条さんと一緒なんだけど……四条さんも抜け出して来たのよね、多分。

(台詞数: 42)