二階堂千鶴
……貴方、そんな格好で寝ると、お腹が冷えますわよ。
四条貴音
鍛えておりますので、大丈夫です♪
二階堂千鶴
あーそうですわね。それではお休みなさいませ。
四条貴音
お待ちなさい、二階堂千鶴。
二階堂千鶴
……改まって、何ですの?
四条貴音
月明かりの眩い今宵、どうにも心昂って寝付けそうにありません。
四条貴音
もう少しだけ、話しませんか?
二階堂千鶴
……そう、ですわね………。
四条貴音
さて、そうなりますと、話したい事の、何と多き事でしょう。
四条貴音
海の向こうで私が見聞きした事柄か……、
四条貴音
或いは、不在の間にこの国に降りかかった、途方もない厄災の悲しき報せか……。
二階堂千鶴
そうですわね……。此方も色々有りましたし、
二階堂千鶴
貴方にも、色々あった事でしょう……。
二階堂千鶴
でも、真っ先に私がお聞きしたいのは……、
二階堂千鶴
貴方が何故、二本のギターを手放したのか……、ですわ。
四条貴音
……それには先ず、大前提が有ります。
四条貴音
私が、過去を言い訳にするのを止めるためには……、
四条貴音
あれらを手元に置いておくべきではないと、そう考えました。
二階堂千鶴
……そういう考えでしたか。
四条貴音
そして、如月千早に必用なのではないかと思われ、彼女に一本を、託しました。
二階堂千鶴
……もう一つを、私に託けたのは何故ですの?
四条貴音
それもやはり、二階堂千鶴に必用であると思われたからです。
二階堂千鶴
……何故、私に必用だと?
四条貴音
……それは勘が働いた、としか言いようが無いのですが……、
四条貴音
貴方が持っていた方が役立つ様に、思えたのです。
四条貴音
……その事と関係有るや判りかねますが……、
四条貴音
……似てると思われませんか?望月杏奈と………、
二階堂千鶴
……思えば初めて会った時の様子まで、あの時を繰り返した様でしたわ。
四条貴音
それ故、心配なのです。
四条貴音
私はもう、同じ悲しみを繰り返したくはありません……。
二階堂千鶴
……それは私も、このみさんも、同じ思いですわ。
四条貴音
二階堂千鶴、貴方があの子達を守らねばなりません。
二階堂千鶴
でも私は、私は………、
二階堂千鶴
私……………。
四条貴音
……折角の月が、雲に隠れてしまいました。
四条貴音
けれど、外灯の明かりは、弱々しく瞬きながらも、
四条貴音
夜の道を照らし、導いてくれます。
二階堂千鶴
……………。
四条貴音
大丈夫、
四条貴音
大丈夫、貴方には、
四条貴音
大丈夫、貴方には、私達が、
四条貴音
大丈夫、貴方には、私達が、 ついている。
(台詞数: 42)