
二階堂千鶴
我那覇響の飼い犬の散歩を口実に、私と四条貴音は、川辺の歩道に向かってあるいた。

四条貴音
変わらない町並を懐かしむように、貴音はゆっくりと歩き、

二階堂千鶴
犬の手綱を曳いた私は、その後を、少しの距離を空けて歩いた。

二階堂千鶴
暫く続いた無言の後、私は貴音に問いかけた。

二階堂千鶴
「黙ってねェで、今まで何処行ってやがったのか白状しやがれ!ベラボーめ!」

四条貴音
彼女はゆっくりと振り返り、懐かしい笑みを私に向けた。(わおん)

四条貴音
「それは構いませんが、二階堂千鶴、」

四条貴音
「いぬ美に抱きつかれたまま歩くのは、難儀ではありませんか?」(ばうー)

二階堂千鶴
「慣れてますから……。」(べろべろ)

四条貴音
「千鶴は昔から妙に、犬や猫に好かれる質でしたね♪」

四条貴音
そう言ってころころと笑い、話をはぐらかそうとする。

四条貴音
「あめりか国のありぞな州、」

四条貴音
「七年間、そこに行っておりました。」

二階堂千鶴
「はあ、アメリカのアリゾナへ……って!?」

二階堂千鶴
「アナタ、英語なんか喋れないでしょうが!!」(わふん)

四条貴音
「そこはそれ、何とかなるものですね♪」

二階堂千鶴
「何とかなってたまるかい。」

二階堂千鶴
「私やこのみさんや響や律子さんに借金までして、旅費を捻出して、ですか。」

四条貴音
「……どうしても行っておきたいと考えまして。」

二階堂千鶴
「コロちゃんの代わりに……、ですか?」

四条貴音
「……伴田路子は、どうしても一度は行ってみたいと申しておりました。」

四条貴音
貴音は、暮れがかる西の空を眺めながら、そういった。

四条貴音
「……ところで二階堂千鶴。」(べろべろ)

二階堂千鶴
「……何ですの?」

四条貴音
「今度は私が、いぬ美に捕まってしまった様なのですが。」

二階堂千鶴
「あーそれ、小一時間は離れませんわよ。」

四条貴音
「面妖な……。」
(台詞数: 27)