高山紗代子
えぐっ…えぐっ…
四条貴音
紗代子…また泣いているのですか?
高山紗代子
だって…あんなに練習したのに貴音さんにまた迷惑かけて…
四条貴音
またそのような事を気にしているのですか?
四条貴音
ステージでは不測の事態が起こらない事など稀なのですから気に病む必要はありません
高山紗代子
違うんです。いつまでたっても貴音さんにフォローされてばっかりで恩返し出来なくて
高山紗代子
あれだけ練習してるのにまだ失敗しちゃう私自身が許せなくって…
高山紗代子
やっぱり私には才能なんて無いから…
四条貴音
高山紗代子…謙虚は美徳ですがあなたのそれは卑屈です。
四条貴音
星梨花と百合子と共にトーナメントを勝ち抜いたのを忘れたのですか?
四条貴音
あの時の貴女は言うなれば二人の太陽のような存在でした。
四条貴音
天の星達は太陽が無ければ輝けない。それは私達も同じなのですよ。
四条貴音
二人をあの舞台まで引っ張り上げたのは紛れもない事実なのです。
四条貴音
高山紗代子、例え技量で劣っていようともそれを補って余りある輝きが貴方にはあるのですよ
四条貴音
だから自信を持って胸を張るのです。
四条貴音
俯いていてはせっかくの太陽のような輝きもくすんでしまいます。
高山紗代子
そんなこと言われても私……自分にそんな才能無いのわかってますし…
四条貴音
紗代子、貴女はまだ勘違いをしているようですね。
四条貴音
劇場の皆は数えきれない程あなたに救われているのですよ。
高山紗代子
…私が皆をですか?
四条貴音
貴女の才能はそのひたむきな努力と嫌われる事を恐れないことです。
四条貴音
いつでも全力で突き進んで行くその姿は私達全員を鼓舞してくれます。
四条貴音
それに厳しいことを言ったとしても誰かが躓けば真っ先に手をのばすのは貴女ではないですか
四条貴音
どんなに辛辣な言葉を言おうとも皆が付いて行くのは貴女の一番の才能ですよ
高山紗代子
貴音さん…私…
四条貴音
紗代子…
高山紗代子
わわっ貴音さん何を
四条貴音
ここだけの話ですが私も以前はよく泣いたのです。
四条貴音
あの時は負けたら用なしにされる後のない状況で、頼れる方も居ませんでした。
四条貴音
孤独で、孤独でそれはもう心細かったのです。
四条貴音
ですが紗代子、今の貴女には頼れる人が沢山居るのですからもっと頼って良いのですよ。
高山紗代子
そうですね………じゃあまた明日レッスン……付き合ってもらっていいですか?
高山紗代子
あと出来ればしばらくこのままで居てくれますか?…もうちょっと泣きたいので
四条貴音
勿論いいですよ。立ち直りの早さも貴女の才能なのですから明日は眩しい太陽を見せて貰えますね?
高山紗代子
……はい勿論です。明日は一日中付き合ってもらいますからね?
(台詞数: 35)