音無小鳥
Zzz…
秋月律子
いくら疲れてるからってこの人は。よくこんな固いソファで熟睡出来るわね。
秋月律子
小鳥さん。お昼休み終わりますよ?ほら、起きてください。
音無小鳥
むにゃむにゃ。う~ん…
秋月律子
…
秋月律子
(あらためて見るとやっぱり美人よね、この人。元アイドルってのも頷けるわ。)
秋月律子
(何で辞めちゃったのかしら。本人何も言わないし、社長は教えてくれないし。)
音無小鳥
すー…
秋月律子
(うーむ、気になる。亜利沙にでも頼んで…いや、あまり詮索するのも失礼ね。)
秋月律子
(けど勿体ないなあ。これだけの素材、私だったらきちんとプロデュースして…)
秋月律子
(…いや、まだいけるかも。この人歌も上手いし、昔のファンもいるみたいだし。)
秋月律子
(今日び再デビューなんて珍しくないわよね、346の服部さんの例もある事だし。)
秋月律子
(うん、いいかもだわ。本格的に考えてみようかな。そうと決まればまずは本人に…)
高木社長
…うおっほん。
秋月律子
わ、ビックリした…社長?お、お疲れ様です。
高木社長
お疲れ様。ニヤニヤしながら人の寝顔を観察するのはあまりいい趣味とは言えないね。
秋月律子
あ、いやその。違いますよ、ちょっとした企画を思いついてただけで。
高木社長
企画?
秋月律子
はい。まだ思い付きですけどね、近い内にきちんと固めて提出しますので。
高木社長
楽しみにしておくよ。ところで音無君の観察はこのまま続けるつもりかな?
秋月律子
あ、忘れてた。小鳥さん、ほら起きて。社長の前ですよ!
音無小鳥
むにゃむにゃ、駄目ですよプロデューサーさんこんな所で…え!?
高木社長
おはよう。すまないね、プロデューサー君ではなくて。
音無小鳥
し、し、失礼しました。顔洗ってきます!
秋月律子
まったくもう。
高木社長
まあぎりぎり昼休み時間中だし不問にしておくよ。ところで…
秋月律子
なんでしょうか?
高木社長
キミは何故音無君がアイドルを辞めたのか、本人の口から聞いたことはあったかな?
秋月律子
え?いえ、ありませんけど。
高木社長
なら、それが答えだ。
秋月律子
は?あの、一体何の話を…
高木社長
音無君はアイドルを辞めた。そして、それ以上の事をキミに話すつもりはない。
高木社長
そういう相手にプロデュースしてもらって、再デビューしようという気になると思うかい?
秋月律子
…聞こえてましたか。
高木社長
長い付き合いだ、キミが何を考えてるかぐらいは分かるとも…音無君はそうでは無いようだがね。
秋月律子
…
高木社長
勘違いしてはいけないよ。音無君はキミを信頼していないわけじゃない。
高木社長
だがそれはあくまでも今の立場だからだ。誰だって踏み込まれたくない領域ぐらいあるだろう?
秋月律子
分かってますよ…残念ですけど諦めるしか無いみたいですね。
高木社長
彼女は765プロになくてはならない事務員で、キミ達の大切な仲間だ。それで充分だろう?
秋月律子
…ですね。
音無小鳥
も、戻りました。社長、どうも申し訳ございません、とんでもない所をお見せして。
高木社長
気をつけたまえ。それじゃ、私は約束があるから失礼するよ。
音無小鳥
お疲れ様です…律子さんもすみません、ご迷惑おかけしました。
秋月律子
気にしないで下さい…小鳥さん?
音無小鳥
はい?
秋月律子
アイドルに興味ってあります?
音無小鳥
え、なんですか。あるに決まってるじゃないですか、ここにいる皆の事、私はとっても大好きで…
秋月律子
…そうですか。小鳥さんはやっぱりそういうのが一番なんでしょうね。さ、私も仕事に戻りますか!
音無小鳥
なんですか、それ?
(台詞数: 50)