秋月律子
………………
高木社長
あの時の君の落ち込み様は、見ていて辛かったねぇ
高木社長
その翌日……翌々日だったか。私に現役引退の意思を伝えに来たんだったねぇ
高木社長
誰に何と説得されようと、君の意思が変わる事は無かった
高木社長
一体何が、律子君をあそこまで頑なにしたのか……
秋月律子
………………
秋月律子
ITMC翌日に発売された週刊誌に、私の敗戦が取り上げられていましたよね?
秋月律子
その記事に書かれていたんですよ
秋月律子
「もしかして、我々は夢を見ていたのではないだろうか」って……
高木社長
………………
秋月律子
社長もご存じの通り、アイドルトレーナーは夢を見せる仕事です。私もそう思ってやってきました
秋月律子
「夢を見ていたのではないだろうか」と言われたという事は、それはつまり……
秋月律子
「夢から覚めてしまった」という事です。私にはもう、夢を見せる力は無い
秋月律子
だから、私は現役引退を決めたんです
高木社長
しかし、君はまだまだ十分実力があったじゃないか。引退を決めるのは、まだ早かったのでは……
秋月律子
いえ、もういいんです。それからさっきも言いましたが、私は後悔なんてしてません
秋月律子
私は今の仕事に満足しています。今の私の仕事は、あの子達を一流に育て上げる事ですから
高木社長
しかしだねぇ……
秋月律子
はいはい、昔話は終わりです!さっさとここを片付けますよ!
北上麗花
<ガチャッ>あっ、律子さ~ん♪
秋月律子
麗花さん!?
北上麗花
<バタン>社長もお久し振りです~♪相変わらずナイス真っ黒ですね~♪
高木社長
ハッハッハ!それほどでも無いよ
秋月律子
(あれを受け入れられる器が羨ましいわ……)
北上麗花
ん?律子さん、何持ってるんですか?
秋月律子
えっ?あ、いや、これは……
北上麗花
どれどれ~?(ヒョイ)
秋月律子
あっ、ちょっと!
北上麗花
わ~、懐かしい~♪これ、私が初めてITMC優勝した時の記事ですね~♪
北上麗花
今でもハッキリ覚えてますよ~♪
秋月律子
……まぁ、あなたにとっては記念すべき日ですからね。忘れられない、大切な想い出でしょうよ
北上麗花
いえ、一刻も早く忘れたいです
秋月律子
えっ!?
高木社長
………………
秋月律子
え……いや、さっき「今でもハッキリ覚えてますよ」って……
北上麗花
えぇ、覚えてますよ。でも、私にとってこれは、「大切な想い出」なんかじゃないんで
秋月律子
………………
秋月律子
そう言えば麗花さん、昔に比べて今は随分印象が変わりましたよね。確か、ここに来た時にはもう
高木社長
律子君、それ以上は……
北上麗花
いいんですよ社長。ここから先は、私が話しますから
高木社長
北上君……しかしだねぇ……
北上麗花
大丈夫ですよ。別に隠す程の事でもありませんし
秋月律子
麗花さんも……あの日の後に何かあったんですね?
北上麗花
………………
秋月律子
やはり、黒井社長が関係してるんですか?聞かせてください、麗花さん
北上麗花
分かりました、お話しします……
北上麗花
私がITMCに優勝した後、961プロで何があったのか……
(台詞数: 47)