馬場このみ 29歳 プロデューサー 5話
BGM
TOWN_RMX
脚本家
nmcA
投稿日時
2017-04-12 23:37:33

脚本家コメント
連続ドラマです。のんびりお楽しみください。箸休め回。
【ここまでのお話】
武道館ライブ後、仮眠をしていたこのみが目を覚ますと、そこは5年後の765プロに心だけタイムスリップしていた。自らの身体の変化に戸惑うものの、莉緒の変わらぬ接し方や765プロの現状を知り、プロデューサーとして活動することを決意したのだった。

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馬場このみ
「……律子ちゃん、それ、なに?」
秋月律子
「なにって、RPSですよ?レンコン・パスタ・サンド」
馬場このみ
5年前の流行なんてあってないようなものだ。逆に言えば今の流行なんて理解できるわけもない。
秋月律子
「それで、どうでした?初めての営業は」
馬場このみ
食べ終えた律子ちゃんが、白いドリンクを一啜りする。
馬場このみ
「そうね。思っていたよりは何とかなりそうかな!
馬場このみ
「そうね。思っていたよりは何とかなりそうかな!……昨日の特訓のおかげでね」
秋月律子
「そうですか!突貫工事でしたけど、がんばった甲斐がありました」
馬場このみ
アレで突貫工事というのならばみっちりやったら私はハリウッドでも営業できる気がする。
秋月律子
「まぁ、5年前と比べたら、うちの事務所の評判も上がりましたからね」
秋月律子
「事務所に仕事のオファーが来るようになりましたし、レギュラー持ちも多いんです」
馬場このみ
「突貫工事というのは冗談じゃないってことね」
秋月律子
「……それでも、このみさんだからこそ何とかなっているんですよ」
馬場このみ
私は律子ちゃんから視線をそらして、手持ちの紅茶を音を立てて啜った。
秋月律子
「さて、次は担当アイドルの話をしていきましょうか。これが私が考えてきた案です」
馬場このみ
カップを置き、渡された紙に目を通す。
秋月律子
「現在、活動しているアイドルは49名。そのうち大学受験組4名は活動縮小中です」
秋月律子
「残りの45人のうち、自主プロデュース組を除いた33人を3人で振り分けたのがこの表ですね」
馬場このみ
自分に振られた名前を見てみる。随分と聞き分けのいい子がまとめられている。
秋月律子
「ちなみに、これは29歳のこのみさんが担当していたアイドルたちと同じです」
秋月律子
「ですから、分からないことがあったらアイドルたちに聞くとこれまでのことは教えてくれますよ」
馬場このみ
ふむ。まずはみんなに現状を教えてもらうところから始めたほうがよさそうだ。
秋月律子
「最後にもう一つ。自分の担当以外のアイドルの面倒を見ることはかまいませんからね」
秋月律子
「私たちは全員で765プロですから。みんなで高めあっていきましょ!」
馬場このみ
ホント、こういう変わらないところを知ると心の底からホッとして……
秋月律子
「涙ぐんでいるところ悪いですけど早速午後の営業ですよ」
秋月律子
「今日中に顔と名前を憶えてもらわないと、明日から仕事になりませんからね」
馬場このみ
「もちろんよ!でも、その前に一ついいかしら」
秋月律子
「どうしました?」
馬場このみ
「所属アイドルが49人ってことは私たち以外に新しい子が入ってきたってこと?」
秋月律子
「……いえ、違います。その……」
馬場このみ
「なるほどね、よくわかったわ!」
馬場このみ
「その時は遠慮なくプロデューサーって呼んでいいからね、律子ちゃん!」
秋月律子
「んもう、からかわないでください!」
馬場このみ
「さっ、午後の営業に行きましょ!時間がないんでしょ?」
馬場このみ
苦い顔をしつつも照れを隠す律子ちゃんを眺めていると、ふとカップの中に視線がいった。
馬場このみ
「それ……豆乳?」
秋月律子
「いえ?RPDですよ。レンコン・パスタ・ドリンク」
馬場このみ
……レンコンとパスタって一体何なのだ。何でそんなものが流行るのだ。
秋月律子
「レンコンに含まれるムチンが美容にいいって話題なんですよ?」
馬場このみ
なるほど。細かな流行は変わっても大きな流行は変わらないということか。
馬場このみ
変なところに感心しつつ、ソーサーとカップを店員さんに返す。
馬場このみ
……
秋月律子
「このみさん、初心者へのオススメはレンコンハチミツドリンクですよ?」
馬場このみ
まぁ、流行にのりたがるというのも、また、一つの大きな流行なのだろう。

(台詞数: 45)