秋月律子
小鳥さん、この書類急ぎでお願いします。あら、あそこからメール来てるわね。ええっと…
舞浜歩
…何やってんの?
秋月律子
何って、そりゃ仕事よ。見れば分かるでしょ。
舞浜歩
室内でコート着て、頭から毛布被って?
秋月律子
仕方ないじゃない、寒いんだから。防寒対策上やむを得ないのよ。
舞浜歩
やむを得ないって、小鳥はいつも通りに仕事してるだろ。悪いと思わないのかよ。
秋月律子
甘いわよ、小鳥さんをよく見てみなさい。
舞浜歩
小鳥を?普通に椅子に座ってんじゃん、ショールはしてるけど。
舞浜歩
お、コブンまたそこで寝てんのか。はは、すっかり小鳥の膝がお気に入りだな。
秋月律子
猫の体温は高いのよ。防寒具になるくらいにね。
秋月律子
つまり小鳥さんは湯たんぽ抱えて仕事してるようなものよ。なら私だってこれぐらいいいでしょ?
舞浜歩
そういうもんかね。てか素直にストーブ付けなよ。
秋月律子
灯油切れ。今麗花さんと茜に買いに行ってもらってるわ。
舞浜歩
エアコンぐらい買えって。なんで事務所はストーブしかないんだよ、危ないじゃない。
秋月律子
今予算不足。劇場の滝のメンテナンスが思った以上に高くついてね。
舞浜歩
なんで劇場に滝なんて付けたんだ?
秋月律子
文句は社長とプロデューサーに言ってちょうだい。なんかティンと来たんですって。
徳川まつり
はいほー、お外はすごい風なのです。はふ、はふ…
舞浜歩
お疲れまつり。お、いいもん食べてるじゃない。
徳川まつり
えへへ。寒かったから買ってきたのですよ。はい、これは歩ちゃんの分なのです。
舞浜歩
いいの?サンキュー!
秋月律子
ちょっとまつり、私には無いわけ?
徳川まつり
律子ちゃん、その格好はどうしたのです?
舞浜歩
寒さ対策だとさ。ストーブ灯油切れてるんだって。
徳川まつり
そういうの、良くないのですよ。アイドル皆の態度にうるさい律子ちゃんらしくないのです?
秋月律子
寒いもんは寒いのよ、ほっといてちょうだい。どうせあなた達と小鳥さんしかいないんだし。
舞浜歩
アタシらもアイドルなんだけど。
秋月律子
あなた達は特別なのよ、一緒にいて一番くつろげる存在だからね。
舞浜歩
そっか。なら仕方ないよな、へへ。
徳川まつり
(歩ちゃん、ちょろいのです…)
徳川まつり
そうだ、寒いならいい方法があるのです。律子ちゃん、キュリー夫人をご存知ですか?
秋月律子
たしか、ラジウムを発見しただっけ。それが?
徳川まつり
キュリー夫人は昔、とってもお金が無かったのです。今の765プロとおんなじですね。
舞浜歩
笑えないな。
徳川まつり
冬、とっても寒い。でも薪を買うお金は無い。そこで、キュリーさんはどうしたか…?
秋月律子
どうしたの。
徳川まつり
椅子をしょって勉強したのです。
秋月律子
は?何それ。椅子ってあの、座る椅子?
徳川まつり
そうですよ。重たい物を持つととっても疲れるし、運動になるのです。
徳川まつり
運動すると、身体がぽかぽかになるでしょう?キュリーさんはそうして勉強したのです。
秋月律子
へえ。まつりは漫画以外の事も詳しいのね。
舞浜歩
いや、さすがにそれは真似出来ないだろ。
徳川まつり
ダンスレッスンならどうなのです?
舞浜歩
遠慮しとくよ。小鳥、生姜紅茶ちょうだい?
秋月律子
うーむ。椅子はさすがに重たすぎるわね、けど桃子の踏み台なら…
舞浜歩
やめとけって!
(台詞数: 46)