秋月律子
よし、定期パトロールの時間ね。環?行くわよ。
大神環
……
秋月律子
どうしたの?ほら、黙ってないで準備なさい。
大神環
…やだ。
秋月律子
え?ど、どうしたのよ。どこか具合でも悪いの?
大神環
もうやだぞ、こんなの!いっつもいっつもおしごとばっかりで。
大神環
夏休みだってどこにも行けなかったし。きょうだって、ほんとなら学校の遠足なのに。
秋月律子
仕方ないじゃない。あのね環、いつも言ってるでしょ?デストルドーと戦えるのは私達だけで…
大神環
うるさいぞ、りつこなんてきらい!
秋月律子
あ、環!待ちなさい、どこ行くのよ?
大神環
…ふんだ、りつこのやつ。いっつも同じこと言って。もう知るもんか、帰ってなんかやらないぞ。
大神環
あ、そうだ!今から学校いこっと。みんなと遠足に行くんだ!くふふ。
大神環
…みんな、しゅっぱつしちゃったのか。そうだよな、もうそんな時間だもんな。
大神環
いいもん。こうなったら1人で思いきり遊んでやるぞ!くふふ、さあ、何しようかな?
二階堂千鶴
どこに行ったのかしらね、ほんとにもう…あら?
大神環
…
二階堂千鶴
ちょっとあなた。こんな時間にどうして小学生が1人でいますの。どこの学校?
大神環
…べつにいいだろ。ほっといてほしいぞ。
二階堂千鶴
何言ってますの。ほら、こっちいらっしゃい!
大神環
わ、何するんだ?
二階堂千鶴
お昼ご飯の時間ですわ。沢山食べないと大きくなれませんわよ?
大神環
わ、すごいごちそう…たまき、おかね持ってないぞ?
二階堂千鶴
子供からお金取ろうなんて思ってませんわ。さ、好きなだけ召し上がれ?
大神環
…ごちそうさまでした!たまき、こんなおいしいもの初めて食べたぞ。
二階堂千鶴
お粗末さまでした。さて、どうしてこんな所にいたのか、そろそろ話していただけません?
大神環
あ。あのね…
二階堂千鶴
…なるほど。今は事情があってご両親と離れて暮らしているけどその生活が嫌になった、と。
大神環
学校だってやすみやすみなんだぞ?それに、どこにも遊びに行けないし…
二階堂千鶴
(酷い話もあるものですわ。世も末ですわね、こんな小さな子を働かせるなんて。)
二階堂千鶴
(こんな世の中を変えるためにもわたくし達デストルドーが世界を支配しなくては!)
二階堂千鶴
(…そうだ。いい事を思い付きましたわ)ねえ、環ちゃん?
大神環
たまきでいいぞ。なに?お姉ちゃん。
二階堂千鶴
わたくし達の所に来ませんこと?美味しいご飯やお菓子を沢山差し上げますわ。
大神環
ほんと!?でも、どうして?
二階堂千鶴
あなたを見ていて気付きましたの、わたくし達の仲間に相応しいって。さあ、どうなさいます?
大神環
たまきは…
秋月律子
ぐすっ。環。どこなの、どこいったのよ、うう…
大神環
あ、りつこ。そっか、ここ、最初はりつこにつれて来てもらったんだっけ…
秋月律子
戻ってきてちょうだい。あなたの事、ちゃんと見る。私が悪かったわよ、うう…
大神環
りつこが泣いてるところ、はじめて見たぞ。あれ、たまきのせいなんだよな。
大神環
なあ、お姉ちゃん。わるいけど…
二階堂千鶴
ええ。もしまた辛くなったらいつでもこのお店にいらっしゃい。お菓子ぐらいならご馳走しますわ。
大神環
ありがとう、ご飯ほんとにごちそうさま。美味しかったぞ、じゃあね!…お~い、りつこ~!
秋月律子
…環!
二階堂千鶴
ふふ。スカウト失敗ですわね。残念でしたわ、いい怪人になりそうな子でしたのに。
二階堂千鶴
けど、あの子にはもう自分の居場所があるんですものね。無理強いは出来ませんわ。
二階堂千鶴
…さて、と。もしもし?
二階堂千鶴
琴葉様?もう怒ってませんわ、帰ってらっしゃい…ええ、日本シリーズは行っていいですから!
(台詞数: 48)