音無小鳥
前に莉緒さんに誘われまして、無理矢理合コンに連れて行かされた事があったんです。
三浦あずさ
莉緒ちゃんも相変わらずですね。それで?
音無小鳥
で、その帰り際ある人から今度2人で会って欲しいと連絡先渡されまして。
三浦あずさ
あらあら。でも音無さんでしたらそういう事も当然ありますよね。それから?
音無小鳥
恥ずかしながら私、そういうお誘いって初めてで。どうしていいか分かんなくて。
音無小鳥
それでとりあえずプロデューサーさんに相談したんです。そうしたら…
三浦あずさ
そしたら?
音無小鳥
『それは絶対に断って下さい』と。で、どうしてそんな事言うんですかって聞いたら。
音無小鳥
少し黙った後でぽつりと言ったんです、『言わないと、分かってもらえませんか』って。
三浦あずさ
まあ。
音無小鳥
まあ大体そんな感じでしたね…その後の事はご想像にお任せします。
三浦あずさ
ふふ、なんだかいいですね、そういうの。
音無小鳥
そうですか?もう少しロマンチックな告白とかに憧れてたんですけど。
三浦あずさ
充分ロマンチックですよ。変にあれこれ言うよりずっと素敵だと思います。
音無小鳥
そうかしら。けどまさかいきなりあんな事言われるとは思いませんでしたよ、寝耳に水でした。
三浦あずさ
あら、私達からすればやっと重い腰を上げたんですねって感じですけど。
音無小鳥
ええ!?そりゃプロデューサーさんとは気が合う同士ですけど。でもそれは同僚としてで…
三浦あずさ
小さい子達はともかく、成人組からすれば一体いつくっつくのかしらって思ってましたよ?
音無小鳥
違いますってば。そもそも全く意識してなかったんですよ?
三浦あずさ
でも、結局お付き合いしてるんでしょう?
音無小鳥
それを言われると。まあなんか成り行きというか、流れでそうなったと言いますか。
音無小鳥
けど皆さんはともかく、向こうも私の事をそんな相手と思って無かった気がするんですよね。
三浦あずさ
そうなんですか?
音無小鳥
ええ。私が気づかなかっただけかもしれませんけど、別にそういうそぶりは全く。
音無小鳥
だから不思議な気もするんですよね。どうして急にこうなったのかって。
三浦あずさ
…多分ですけど。プロデューサーさん、気付いてなかっただけなんじゃありませんか?
音無小鳥
気付く?
三浦あずさ
ええ。音無さんは一緒にいるのが当たり前で、他の人が近づくだなんて考えても無かったんですよ。
三浦あずさ
相談を受けて初めて気付いたんじゃないですか、ずっと一緒にいるとは限らないって事に。
音無小鳥
自分の気持ちに気付いてなかった、って事ですか?そんなのほんとにあるのかしら。
三浦あずさ
ありますよ…私もそうでしたから。
音無小鳥
え?
三浦あずさ
前にですね、あの人に言われたんですよ。『お互い早くいい人を見つけましょうね』って。
三浦あずさ
そう言われて気付いたんです。この人はいい友達だけど、いつまでもいるわけじゃないんだって。
三浦あずさ
そう思ったらすごく寂しくなって。そんなの絶対に嫌だって。
音無小鳥
それが、きっかけ…?
三浦あずさ
ええ。だから多分、プロデューサーさんもその時の私と同じ気持ちに…
音無小鳥
…どうしてこう、鈍感ばかりなんでしょうね?
三浦あずさ
いいじゃありませんか、手遅れになる前に気付いたんですもの。
音無小鳥
それもそうですね。あ、ところでその後どうなったんですか?
三浦あずさ
え?あ、そこはまあその…ご想像にお任せします。
音無小鳥
ちょっと、それはずるいんじゃないですか、私の方ばかり喋らせておいて…
秋月律子
いくら誰もいないとはいえ、事務所で何喋ってるんだか、まったく。
秋月律子
しかし小鳥さんはともかくあずささんの方はそろそろ対策を考えないとね、頭痛いわ。
秋月律子
…身近過ぎて気付けない、か。少しだけ羨ましいかもね、私にはそんな相手さえいないし。
秋月律子
って何考えてるのよ、今の私は仕事第一。恋愛なんてしてる余裕は無いわ。
秋月律子
…身近な男性、か。私の場合誰かいるかしらね?プロデューサーは違うし、とすると後は。
秋月律子
いや、涼は無い。そもそもあれは厳密に言えばって感じだし。となると…
秋月律子
…
秋月律子
もしもし莉緒さん?先日断った合コンってですね、その、お酒NGでも大丈夫だったり…
(台詞数: 50)