天海春香
……
天海春香
……プロデューサーさん……怒ってたよね。
天海春香
少しでもプロデューサーさんに喜んでもらいたくて、頑張ったんだけどな……
天海春香
……まだ、足りなかったかな……
天海春香
私らしさ……って何なんだろう?
天海春香
……………………
天海春香
あ、そうだ。この前のライブの映像、確認しとけって言われてたよね。
天海春香
お仕事は、ちゃんとしないと……
天海春香
それに、プロデューサーさんのことだから、もしかしたら、ここに何かヒントがあるかも……
天海春香
えっとプレイヤーは……ってあれ?これVHSだ!
天海春香
てっきり常識としてDVDでくれるかと思ったのに……
天海春香
まあ、プロデューサーさん機械弱いからしょうがないよね。
天海春香
あ、書き置きが添えてある……もしかして、ここに何かしらのヒントが……
天海春香
えっと……「春香の家にビデオデッキが無いことを想定して複数の媒体を渡しておくでありんす」
天海春香
ふふっ……花魁口調なのはおいといてプロデューサーさんらしいや……
天海春香
えっと、一緒に渡されたこっちの箱に入ってるのかな……あ、あったあった……ってあれ?
天海春香
これβマックスだ!懐かしい!
天海春香
……これは機械に弱いとかそういう問題じゃないよね。
天海春香
というか女子高生である私が存在を知ってることが奇跡なレベルだよ。
天海春香
あ、と思ったらもうひとつ箱が……そうだよね。流石に冗談の類いだよね。あ、あった……って!
天海春香
オープンリールだ!!
天海春香
…………………………
天海春香
……まあちょうど再生設備が部屋にあったからこれで良いや、本題に戻ろう。
天海春香
うわぁ……こんなに人がいっぱい入ってたんだ……ステージから見たらあんまりそんな風には……
天海春香
あ、私ったら登場シーンで既に転んじゃってるよ。ほらもう……皆に笑われてる……
天海春香
……ここにいる人たち……皆私を見てるんだね…当たり前だけど。
天海春香
こんな子一人が歌ってるの見て楽しいのかな?
天海春香
でも、私ほんとに楽しそうだな……実際楽しかったし。
天海春香
あ、一曲目終わった……
天海春香
「皆さん!こんにちは!天海春香です!!!!!」
天海春香
……いつも思ったんだけど、何で一曲目が終わった後に名乗るのかな?
天海春香
ええ!そうだったの!!!天海春香だったんだ!!!!?意外!!!
天海春香
ってなるわけ無いのにね。皆私のライブに来てるのにね。
天海春香
あ……そっか。やっぱり、皆天海春香を見に来てるんだ。
天海春香
じゃあ、あの人たちの目に映ってるあの子が天海春香……
天海春香
あの光の海の先にいるのが天海春香なんだよね?
天海春香
……春香春香言い過ぎて良く分からなくなって来たな……
天海春香
えっと、春香は私だよね。うん。
天海春香
……でも、今の私はそうじゃ無いのかな?
天海春香
今の私は、皆が求めてる私じゃない?
天海春香
……じゃあ、思い出さないと、この時の、皆の前にいた私と今の私。
天海春香
何が違うんだろう?
天海春香
あの時の私は……
天海春香
………………
天海春香
………………………………
天海春香
何か考えてたっけ?
天海春香
目の前の人達と一緒に居ることで精一杯だったから……
天海春香
やっぱり考えてもわかんないや……今は目の前に誰も居ないしね……
天海春香
…………………………
天海春香
…………………………あ。
(台詞数: 50)