大神環
律子母さん!たまき、ちびちゃんと少し飛び回ってみたいぞ!
大神環
ちびちゃん、いいかな?
高坂海美
ぴっ♪
秋月律子
響「一緒に飛んで構わないってさ!律子もいいよね?」
秋月律子
しょうがないわね、少しだけよ。
大神環
くふふ♪やったぞ!
大神環
それっ!向こうのお山までひとっとび~!!
高坂海美
ピィ~♪
高坂海美
『こうして少しの間、環と龍の子は となり山までぐるっと飛んでいきました。』
高坂海美
『家に戻ると、環たちの家の周りにも、もう黒い地面が広がり、春の準備ができていました。』
高坂海美
ぴぃぴぃ……
高坂海美
『その地面の上に、立つ環の身体を小さな龍はそっと とぐろの中に抱きしめて、』
高坂海美
『さよならの挨拶をしました。』
大神環
バイバイちびちゃん。また来年も待ってるからね。
大神環
…ううん、いつでもいいから遊びに来い!
高坂海美
『小さな環は、小さな龍に言いました。』
高坂海美
ピーッ♪
高坂海美
『小さな龍も、環に約束しました。』
秋月律子
…………
秋月律子
『そうして雨を降らせた龍の親子は、また空にのぼっていきました。』
秋月律子
『飛び立つ姿を、やまんばの親子は いつまでも手を振ります。』
大神環
龍のお家は、どこにあるの?
秋月律子
『環は尋ねると、』
秋月律子
遠い西の空の果て。龍たちはそこでまた雲を集めて、大きい大きい巣をつくるのよ。
秋月律子
『龍の親子の姿が、とうとう見えなくなったその時―――』
大神環
律子母さん、虹だ!虹だよ!
秋月律子
『ふいに空いっぱいに大きな虹が現れました。』
秋月律子
『3本杉の上にかかる夢のような大きな虹は、まるで龍たちからの贈り物のようでした。』
高坂海美
…………
高坂海美
『まだ寒いこの時期。もし空から雨が降ってきたら、空を見上げてみてください。』
高坂海美
『もしかすると、環と龍が春を起こすために、雨を降らせているかもしれませんよ?』
大神環
『おしまい!』
(台詞数: 32)