秋月律子
ぷ、プロデューサー殿……貴方がまさか、こんな……
秋月律子
……私を、刺すなんて……信じられない……
秋月律子
……
秋月律子
……ふふふふふふっ。嘘。嘘、ですよ。ダーリンは、きっとこうするって考えてました。
秋月律子
事務所は順調なのに、なぜか自分は現場から外されたりして、皆から避けられるようになって……
秋月律子
情緒不安定な中、家で私がウェディングドレスとケーキでお迎えしたら、パニックになる、って。
秋月律子
その通りに動いてくれて……ふふふふふふ、笑いが止まらないです。お腹が痛くなる位。
秋月律子
あ、『お腹が痛い』のは、ダーリンがくれたこの刺し傷のせいですよね。
秋月律子
……そんな顔をしなくてもいいですよ、ダーリン。血は出てますけど傷は浅いですから。
秋月律子
こうなる事は分かってたって言ったでしょ?お腹には写真週刊誌を挟んでるんです。
秋月律子
血が出る位で、なおかつ重傷にならないように計算して……何事も準備が肝心ですから……
秋月律子
ダーリンは女の子の顔を傷つけられないタイプですし。大好きな私の胸も刺せないでしょ?
秋月律子
世界の誰よりも、ダーリンの事を知ってますから、私……
秋月律子
『ケーキ用のナイフじゃあ、まともに怪我させられない』、ダーリンがそれを知らないのも、ね。
秋月律子
……ほら、そんな風に突っ立ってないで。いつもみたいに膝枕してあげますから、こっちに……
秋月律子
こっちに来てください!ダーリンは、私の言うことを聞けばいいんです。
秋月律子
……
秋月律子
……ほら、これで落ち着くでしょ。ゆっくり呼吸してくださいね。
秋月律子
ふふふふふふっ。ダーリン、私が血を流すのを見るのって、『あの時』以来、ですか?
秋月律子
……
秋月律子
ダーリン、こういう冗談は嫌いですか?じゃあ、別の話をしましょ。
秋月律子
……ダーリンが悪いんですよ。事務所に来た時は、いつも私を頼ってくれて……
秋月律子
私を一生のパートナーにしてくれるって言ったのに。男女の仲にもなったのに……
秋月律子
……それなのに……
秋月律子
なんでこんなに『頼れる』人になっちゃったんですか?
秋月律子
一人で仕事を取って来て、一人でスケジュール管理して。ライブとかの企画も進めちゃって。
秋月律子
……ダーリンには、私が必要なのに。なんで私から離れていくんですか?
秋月律子
そんなのおかしいですよ……ダーリンは頼りなくて、私が支えてあげないといけないのに!
秋月律子
……聞こえますか?サイレンの音が。もうすぐパトカーが来るから、しばらくお別れですよ。
秋月律子
私、前もって警察に相談してましたから。借りてた緊急連絡ボタンを押してたんですよ。
秋月律子
「最近、おつきあいしてる人の奇行に悩んでる」って。ふふふふふふ、嘘ついちゃいました。
秋月律子
あ、警察だけじゃなくて、お仕事先のスタッフさん達にも話しましたよ。
秋月律子
……ダーリンの奇行の噂、そろそろ社長の耳にも入ったかと。この「事件」で懲戒免職ですよね。
秋月律子
それと、弁護士さんにもね……被害者が加害者の身柄引受人になれるか、って相談をね。
秋月律子
……そうですよ。「お勤め」が終わって全てを失ったダーリンは、私が守りますから……
秋月律子
事務所のプロデューサー業は、私が務めていきますよ。これからのことは心配しなくていいですよ。
秋月律子
事務所は私が盛り立てて……他の娘ととダーリンは接触することが無くなって……
秋月律子
頼りないダーリンは、私が養ってあげますから。安心して『出張』してきてくださいね。
秋月律子
……帰ってきたら、このドレスとケーキ用のナイフを使って、式を挙げましょうね、ダーリン!
(台詞数: 39)